2008 Fiscal Year Annual Research Report
狭義加齢黄斑変性症とポリープ状脈絡膜血管症におけるブルッフ膜構成分子遺伝子多型
Project/Area Number |
20592042
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本田 茂 Kobe University, 医学部附属病院, 講師 (60283892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 一樹 神戸大学, 医学部, 非常勤講師 (20324923)
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Keywords | 加齢黄斑変性症 / 遺伝子多型 / ポリープ状脈絡膜血管症 / エラスチン / CD36 / 補体H因子 |
Research Abstract |
1.狭義加齢黄斑変性症(AMD)116例、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)136例、および正常対照者183名についてDMの抽出を行ない、遺伝子多型の解析を行った。 2.まず、ブルッフ膜の主要構成分子であるエラスチン遺伝子の各領域の一塩基多型におけるアレル頻度を同定し、統計解析にかけた所、rs2301995のホモリスクアレル保有が対照群に対してPCVの感受性を7.56倍上昇させることが明らかになった。また、ハプロタイプ解析において対照群とPCV群間に有意な相違が見られた(オッズ比2.06倍)が、対照群とAMD群間には有意差が見られなかった。PCVに特異的は遺伝子多型が同定されたのはこれが世界初である。 3.次に血管新生や炎症に抑制的な働きをするCD36の遺伝子多型を調べ、rs3173798とrs3211883におけるマイナーアレル頻度がちもAMDと対照群で有意に違うことを発見した。 4.さらに欧米人でAMDとの関連が示唆されるものの、日本人ではその閲連が明らかでなかった補体H因子において、特に162V多型が日本人に特に多いとされているPCVと強い関連を持っていることを見出した。 5.このような遺伝子多型が表現型の発現に関与し、その疾患特有の感受性(リスク)を規定していることが明らかになれば、それは診断においてHLAタイピングのように裏付けデータとしての活用ができるほかに、各種の治療に対する反応性を事前に予測できる可能性を持っている。
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Research Products
(3 results)