2010 Fiscal Year Annual Research Report
網膜血管リモデリングにおける酵素学的硝子体融解法の効果に関する研究
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20592048
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
平田 憲 佐賀大学, 医学部, 准教授 (60295144)
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Keywords | プラスミン / 網膜 / 硝子体 / 網膜静脈閉塞症 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、実験的網膜静脈分枝閉塞症モデルにおいて、プラスミン投与およびガスタンポナーデによる後部硝子体剥離作製後網膜硝子体界面の変化、および内境界膜をMMP-2により処理した後の変化にともなう、血管再構築の変化を観察した。MMP-2投与により、網膜表面の基底膜は消化されうるが、その安全域が狭く、網膜組織への侵襲が大きく、評価系として実用化は困難であった。 血管損傷後の経過観察機器として、新規に硬性内視鏡を用いた眼底観察装置を構築し、より非侵襲的検査法を確立できた。本検査法により、血管再構築のin vivo評価が可能となり、どの時期で血管内皮の構造変化を検討すべきかを再評価した。現在も血管の成熟化の指標となる基底膜、pericyteの存在とその構造については検討中である。また、一昨年前より並行して行ったbevacizumabの脈絡膜血管への影響については、有意なfenestrationの減少を観察することができ、bevacizumabの臨床応用の際の、注意喚起に有用であると考えられた。自己骨髄幹細胞移植によるenzymatic vitreolysis処理後の網膜表層の血管再構築に与える効果の検証については現在も継続中である。 さらに、網膜内に投与する薬剤の徐放作用を目的として、ゼラチンをトランスグルタミナーゼで架橋し、網膜表層に貼付する手法を考案し、並行し解析を行なっている。今後、網膜血管の再構築のみならず、網膜組織の修復(円孔、裂孔の修復)も視野に入れ、現在も研究を遂行中である。
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