2009 Fiscal Year Annual Research Report
複合型粘膜上皮移植と免疫系制御による眼表面再生医療への展開
| Project/Area Number |
20592054
|
|---|
| Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
|---|
Principal Investigator |
稲富 勉 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (00305583)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 論 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60347458)
丸山 和一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10433244)
|
|---|
| Keywords | 角膜上皮 / 口腔粘膜 / 眼表面再建 / 再生医療 / 血管新生 / ムチン / 粘膜免疫 |
|---|
| Research Abstract |
我々は、角膜上皮幹細胞や口腔粘膜上皮などの粘膜上皮幹細胞を培養・分化させ、上皮シートとして眼表面に移植する再生医療の開発に成功してきた。本研究課題は複合型粘膜上皮シートを作成することで眼表面を再構成する上皮特性とマクロフェージを主体とした免疫系制御を模索することである。眼表面環境の角膜上皮以外の粘膜上皮細胞に与える影響について検索した。培養粘膜上皮では基底細胞にP64を主体として増殖活性の高い細胞群が構築され、同時に本来は表現しない眼組織特有の遺伝子であるPAX6遺伝子発現が誘導される。上皮の分化マーカである細胞ケラチン構成を解析すると、皮膚型ケラチンであるK1,K10の発現は誘導されないが、K4などの粘膜型ケラチンに加え、角膜上皮特異的とされてきたK3の発現が誘導されてくる。しかしK12の発現は軽度もしくは認めず、完全な角膜上皮への分化誘導はおこらないことがわかる。免疫系反応の主体となる血管新生、リンパ管新生は移植が3か月から6か月に著明に誘導され、上皮内に炎症系細胞が遊走してくることがin vivo confocal microscopyで観察できる。炎症反応の抑制として抗VEGF抗体の点眼投与により眼表面上に生着した口腔粘膜上皮からの血管新生が有意に抑制された。また抗VEGF抗体による上皮細胞増殖抑制は認めなかった。
角膜神経の再生は細胞基質を超えては再生されず、本来期待される神経因子を介した移植上皮の分化誘導や増殖制御は認められなかった。今後は外因性にサイトカインや神経伝達因子を投与した反応を観察していく必要がある。
|
Research Products
(4 results)
