2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592055
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
宮崎 賢一 Wakayama Medical University, 医学部, 博士研究員 (40382329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
友寄 勝夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00453176)
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50264891)
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Keywords | 網膜芽細胞腫培養細胞株Y79 / ラット / 組織学 / Sonic hedeghog / Gli / トランスフォーミング成長因子ベータ / Smad / リン酸か |
Research Abstract |
網膜芽細胞腫培養細胞株Y79を皮下に移植すると、腫瘍を形成した。予備的免疫染色では、Sonic HedgehogやGlilが検出された。Glilは一部の細胞で核内に検出された。一方で、研究計画にあった眼へのY79腫瘍細胞の移植については、マウス眼が小さいため、30G針を用いても手技に困難があった。そこで、Wistarラット眼にY79Y79腫瘍細胞を移植した。遠沈した細胞を30G針で前房、または硝子体内に注入した。前房内への移植では、組織学的に円形の腫瘍細胞がおもに隅角に増生していた。硝子体内では、網膜剥離を合併していたものの、Y79腫瘍細胞と思われる細胞が播種されていた。角膜や強膜、虹彩などに腫瘍細胞が浸潤している所見は観察されなかった。角膜に炎症所見は観察されなかった。本年度の実験では、残念ながら、同一細胞数の移植を、前房内、あるいは硝子体内に移植しても、個体毎に均一な細胞増殖を観察できなかったので、シクロパミン投与(全身または局所を計画していた)による治療効果の判定には至らなかった。手技の工夫が必要であると考えられた。並行して行った免疫組織化学的検索では、皮下移植での結果に類似して、Sonic HedgehogやGlilが腫瘍細胞に陽性であった。また、これらの細胞はトランスフォーミング成長因子ベータ(1、2)およびSmad2/3、さらに一部の細胞でC末端リン酸化Smad2に陽性であった。悪性細胞では、C末端リン酸化以外にSmad2/3のミドルリンカー領域のリン酸化が浸潤、転移に関与しているという所見(personal communication)があるので、そのの検出を行わなければならない。
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