2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー由来線維芽細胞による眼移植片対宿主病の発症機構の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
20592058
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 葉子 Keio University, 医学部, 講師 (30160774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榛村 重人 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (00235780)
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Keywords | 慢性移植片対宿主病 / ドライアイ / 線維化 / 線維芽細胞 / 眼病理学 / 骨髄幹細胞 |
Research Abstract |
ドナー由来の線維芽細胞の細胞源の検証と眼GVHD発症と病態形成にかかわる役割について検証をすすめ線維芽細胞の細胞源について以下のように検証した。 ドナー由来線維芽細胞の候補となる細胞源の除去移植を施行し細胞源除去を行わない標準の骨髄移植の移植前と3週と8週で比較解析し、単位面積あたりの線維化と線維芽細胞数の減少の有無および活性化の状態を比較した。その結果、各種幹細胞の除去移植をそれぞれ比較すると同種間葉系幹細胞除去移植を行うとGVHDの病的線維化が抑制されることが判明した。次に間葉系幹細胞が慢性GVHDの病的線維化に関与するか否かを検証するために、マウス骨髄中に存在する間葉系幹細胞を、単離してドナー間葉系幹細胞のみをドナー細胞から単離して移植し、標準の全骨髄細胞移植と比較した。その結果全骨髄移植と同様な線維化か生じることを確認した。間葉系幹細胞が慢性GVHDの発症の引き金になる可能性を見出しており、現在多方面からこの結果を検証している。病的線維化部位にはドナーとレシピエントの線維芽細胞がキメリズムを示しているため、レシピエント由来の細胞を検証し上皮由来線維芽細胞の存在も明らかにした。(Ogawa Y Shimmura S, et al. Am J Pathol 2009).間葉系幹細胞除去により大幅に線維化が抑制されることから上皮由来の線維芽細胞の活性化も同時に抑制する可能性がある。 作成中のドナーB10.D2(H-2d)GFPマウスはバッククロスにより9代目をむかえており、準備段階で骨髄より、間葉系幹細胞、造血幹細胞、SP細胞をそれぞれ分離して、野生型ドナーマウスの全骨髄細胞と、GFPドナーマウスのGFP陽性各種骨髄幹細胞のそれぞれの分画を同時に移植し、準備段階として眼GVHD病変部でのGFP陽性骨髄幹細胞の局在、遊走部位および病態形成への経時的変化を検証中である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Topical tranilast for treatment of the early stage of mild dry eye associated with chronic GVHD2010
Author(s)
Ogawa Y, Dogru M, Uchino M, Tatematsu Y, Kamoi M, Yamamoto Y, Ogawa J, Ishida R, Kaido M, Hara S, R, Matsumoto Y, Kawakita T, Tsubota K.
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Journal Title
Bone Marrow Transplant 45
Pages: 565-569
Peer Reviewed
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[Journal Article]2009
Author(s)
坪田一男, 根岸一乃編, 小川葉子
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Journal Title
慶應義塾大学薬学部 薬剤師継続学習通信講座 第IV講座 外来で診る眼科疾患(慶應義塾大学出版会株式会社)
Pages: 51-68
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