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2008 Fiscal Year Annual Research Report

酸化ストレスによる角膜上皮細胞の形質転換と悪性転化の抑制

Research Project

Project/Area Number 20592060
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

加藤 直子  Keio University, 医学部, 講師 (20398605)

Keywords酸化ストレス / 上皮間葉系移行 / 悪性添加 / 紫外線 / 炎症 / MAPK / 角膜上皮細胞 / 細胞内シグナル
Research Abstract

本研究の目的は、紫外線、酸化ストレスなどによる刺激を受けた角膜上皮幹細胞が悪性腫瘍に転化するのを抑制するメカニズムを分子レベルで解明することである。
平成20年度は、まずマウス角膜培養上皮細胞に形質転換を起こさせる刺激の特定を行った。その結果、15〜20J/cm^2の長波長紫外線照射が角膜上皮細胞を間葉系細胞様の形態に変化させることが明らかになった。この形態変化は、Eカドヘリンの抑制因子であるSnailの増加を伴っており、βカテニンの膜染色性の低下と細胞質への移行、間葉系細胞のマーカーであるαSMAやビメンチンの増加も見られたことより、腫瘍の浸潤の際などに見られる上皮間葉系移行に類似した反応と推測された。
次に、この上皮間葉系移行類似の変化が、紫外線照射により細胞内で発生する活性酸素種に起因するものであることを証明するために、抗酸化剤であるNアセチルシステインとアスコルビン酸を添加した上で同様の紫外線照射を行ったところ、抗酸化剤により角膜上皮細胞の上皮間葉系移行類似の形質変化は抑制された。
さらに、活性酸素種の増加と形質変化の間の細胞シグナルを特定するために、紫外線照射後の細胞内のMAPKの活性化について調べた。代表的なMAPKであるERK, JNK, p38、またAktなどについて検討したところ、紫外線照射によりp38がリン酸化し、2時間でピークを持つことが明らかとなった。このp38のリン酸化は、Nアセチルシステイン、アスコルビン酸の添加によりほぼ完全に抑制された。以上の実験結果より、紫外線照射により細胞内で発生した活性酸素種がp38をリン酸化することにより上皮間葉系移行に類似した形質変化を起こしていることが推測された。

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Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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