2010 Fiscal Year Annual Research Report
増殖性網膜症の新規治療法の開発-miRNAを標的とした血管新生抑制
Project/Area Number |
20592063
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
吉竹 佳の 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00150764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
矢口 裕基 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40410344)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 管腔形成 / 低酸素 / レンチウイルスベクター / sFlt-1 / 水晶体上皮細胞 / 白内障 / UVB |
Research Abstract |
1) HMVECの低酸素培養(1-5%)下でのsFlt-1(VEGFR 1のショートアイソフォームで細胞外でVEGFをタラップして血管新生を阻害する)の発現減少の意義を明らかにするため、レンチウイルスベクターにsFlt-1遺伝子を挿入し過剰発現を誘導した。HMVECのVEGFによる血管新生促進作用は抑制され、低酸素下での血管新生は本sFlt-1レンチウイルスベクター導入により抑制される可能性を示した。またHIF-1とsFlt-1の発現減少とは直接関連しなかった。本実験によりレンチウイルスベクターによるHWECへの遺伝子導入の有効性を示せた。 2) HMVECの管腔形成時に発現上昇する遺伝子のうち注目したEpac2についてはVEGFだけでなくforskolin刺激によっても発現上昇を認めた。Epac1についてはEpac2ほどの発現上昇は認められず大血管と微小血管内皮細胞の違いを示していると思われた。その作用を特定するための薬剤(IBMX, H89等)の添加は管腔形成では毒性を示した。 上記1)の結果を受けてshRNAを組み込んだレンチウイルスベクターを用いた発現遺伝子(Epac, Dicer, Drosha)、miRNAの抑制が現実的になった。 3) 一方22年度は失明原因の39%を占める白内障の成因機構解明と予防対策のために、紫外線UVBによる培養株化ヒト水晶体上皮細胞(SRA01/04)の遺伝子発現解析をDNAマイクロアレイ法等で行った。発現上昇した遺伝子のうちamphiregulinとGDF15に注目し、それらのサイトカインがSRA01/04増殖を促進することを明らかにした。また水晶体前嚢より初代培養した上皮細胞についてもUVB照射後にamphiregulin、GDF15の発現上昇を確認した。以上の結果は失明に繋がる病因の解明と予防治療に貢献すると思う。
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Research Products
(13 results)