2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592064
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
若林 毅俊 Kansai Medical University, 医学部, 講師 (90302421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小阪 淳 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40243216)
森 徹自 関西医科大学, 医学部, 講師 (30285043)
木股 敬裕 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50392345)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 視神経 / 神経移植 |
Research Abstract |
網膜神経節細胞は、その軸索である視神経を切断されると95%以上が細胞死に陥る。また細胞死を免れても、その軸索は再生しない。ところが、視神経切断端に末梢神経片を吻合・移植すると、細胞死は抑制され、一部の網膜神経節細胞は軸索を再生する。しかし、軸索を再生し、視機能再建にかかわる網膜神経節細胞は数%に過ぎない。従来の末梢神経移植は遊離神経移植であり移植片内のシュワン細胞の大半は死滅し線維化が起こる。一方、移植片となる神経を栄養血管とともに採取し、栄養血管を移植先付近にある血管と吻合すると、シュワン細胞の生存率がほぼ100%となり、移植片の線維化を完全に防止できることから、網膜神経節細胞の軸索再生を促進することが期待される。そこで、ラット・フェレットの視神経切断端に栄養血管付きの坐骨神経を移植し、生存・軸索再生の促進効果を従来の血管無し移植と比較する。増強された網膜神経細胞死阻止と視神経再生の分子機構を明らかにして、臨床応用に耐えうる「視神経再生」技術の確立を目指し研究を進めた。 ラット網膜神経節細胞の軸索は殆どが上丘に投射する。移植神経片を、眼球と上丘の間を架橋するように移植することは、将来の視覚機能再建という目的には欠くべからざる手技であるが、従来、ラットでは採取しうる神経の長さやラットの解剖学的特徴により極めて困難であった。本年度の実験の中で、我々は、新たに開発した移植手法をもちいることで、この問題に取り組み、眼球と上丘とを架橋するような移植手法を開発できた。この手法を用いた場合における網膜神経節細胞の再生が、架橋しなかった場合との比較で増強しうるかを検討中である。
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Research Products
(6 results)