2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592067
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田原 昭彦 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 教授 (90117169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 敏昭 大分大学, 医学部, 教授 (30205140)
吉田 茂生 福岡大学, 医学部, 講師 (50363370)
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Keywords | 緑内障 / 細胞マトリックス / ケルセチン / 線維柱帯 / ステロイド緑内障 / 視神経乳頭ピット / 緑内障遺伝子 / 抗VEGF抗体 |
Research Abstract |
1.ヒト線維柱帯培養細胞を用いて、線維柱帯細胞の細胞外マトリックス分解能を調べた。その結果、緑内障眼由来の線維柱帯細胞の方が、正常眼由来の線維柱帯細胞よりも細胞外マトリックスの分解能が高く、MMP-9の活性も高いことが分かった。また、膜結合型MMPインヒビターであるReckの発現が、緑内障由来細胞の方が低かった。現在、さらに研究を進めている。 2.フラボノイドの一種であるケルセチンの線維柱帯細胞に及ぼす影響を、培養細胞を用いて調べた。その結果、ケルセチンは転写因子NRF1を誘導することで抗酸化酵素ペルオキシレドキシンの発現を上昇させ、線維柱帯細胞を酸化ストレスから保護する作用があることが分かった。 3.ヒト線維柱帯培養細胞を用いて、副腎皮質ステロイド薬の線維柱帯細胞に及ぼす影響を調べ、興味ある結果が明らかになっている。しかし、もう少し追加実験が必要で、現段階では研究結果を公表できない。 4.Bevacizumabを硝子体内注入した血管新生緑内障眼で、注入前後に前眼部螢光造影を行い、Bevacizumabの前眼部新生血管に及ぼす影響を調べた。その結果、Bevacizumab注入で虹彩や線維柱帯の新生血管の透過性が減少するが、新生血管の構築には変化を及ぼさないことが分かった。 5.先天性視神経乳頭ピットを有する眼の眼底、光干渉断層計、視野所見を3年にわたって観察した。その結果、先天性視神経乳頭ピットは視野障害を合併した視神経線維層欠損を伴うこと、さらにその視野障害、視神経線維層欠損は進行性であることが分かった。 6.発達緑内障の遺伝子解析を行い、5例中1例でPITX2の異常が明らかになった。
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Research Products
(15 results)