2008 Fiscal Year Annual Research Report
先天性トキソプラズマ性網脈絡膜炎における原虫の網膜血管内皮細胞侵入機構の解析
Project/Area Number |
20592071
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野呂瀬 一美 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (30156244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 充子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10361445)
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Keywords | 感染症 / トキソプラズマ / インターフェロンガンマ / 寄生虫 |
Research Abstract |
(1)トキソプラズマの感受性野生型(WT)C57BL/6マウス、抵抗性WT Balb/cマウス、及びそれらと同じ遺伝背景のインターフェロンガンマノックアウト(GKO)マウスを妊娠させ、妊娠後7日または11日にトキソプラズマFukaya弱毒株のシストを経口感染させ、先天性トキソプラズマ症の動物モデルを確立させた。WTマウスにおいてはトキソプラズマ感染により流産するマウスが多かったが、GKOマウスでは流産しなかった。トキソプラズマによる流産因子にはインターフェロンガンマが関与していることを再確認した(Shiono Y. et al. ParasitoI Int. 2007, 56:141-8. )。 (2)感染後、経時的に胎児あるいは仔マウスから脳、眼球を摘出し、定量的競合的PCR法でトキソプラズマDNAを定量解析したところ、GKO C57BL/6マウスでは脳及び眼球に高濃度にトキソプラズマDNAが認められたが、WTマウスでは低濃度であった。 (3)感染後各時期の胎児、仔マウスの眼球を摘出し、HE染色及び各種免疫組織染色をおこない、光学顕微鏡あるいは蛍光顕微鏡で網脈絡膜炎を病理学的に解析したところ、各種炎症性細胞の網膜内浸潤が認められた。さらに各種接着分子の発現が上昇していた。以上、先天性トキソプラズマ性網脈絡膜炎の動物モデルの確立に成功し、上述した結果より先天性トキソプラズマ性網脈絡膜炎の発症にはインターフェロンガンマが重要な働きをしかつ、接着分子の関与が示唆された。
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