2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592081
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
篠田 啓 Oita University, 医学部, 准教授 (60245561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 和繁 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 視覚生理研究室, 室長 (30255525)
尾関 直毅 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80383826)
中塚 和夫 大分大学, 医学部, 教授 (20112378)
木許 賢一 大分大学, 医学部, 講師 (50315339)
山田 喜三郎 大分大学, 医学部, 助教 (50452909)
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Keywords | 経角膜網膜電気刺激 / 網膜電図 |
Research Abstract |
本年度は主に以下の3つの項目についてある程度の結果が得られたので報告する。 1.正常被験者において経角膜網膜電気刺激(TES)を行い、通電前、通電直後、翌日、一週間後での全視野網膜電図(ERG)を測定した。僚眼に対する比を解析評価対象としたところ、TES直後および翌日のERGでは、杆体系ERGのb波および最大応答のa,b波の振幅が増加傾向にあった。また、最大応答のb/a比も軽度であるが増加傾向であった。今後はその他の成分についても検討する予定である。 2.網膜色素変性症、虚血性視神経症など種々の網膜視神経疾患患者に対するTESの効果を、視力、視野などの自覚検査や、ERG、多局所網膜電図などの他覚的検査にて評価した。計27例30眼についてまとめたところ、自覚検査ないし他覚検査での改善率はおよそ20-30%であった。今後は各疾患ごとに効果と臨床所見を検討し、適応などを探索予定である。 3.カニクイザル(n=2)に対し、TES(電流強度500uA、10msec/phase、20Hz、刺激時間1秒間)を行い、角田らが開発した網膜内因性信号計測(functional retinography:FRG)を行い、光刺激によるFRG記録結果と比較した。前者は明順応下では黄斑部を中心とするピークを呈するのに対し、暗順応下ではこれに加えて、杆体密度が比較的高い傍黄斑領域にも輪状の高信号を認めた。これに対し、後者では順応状態による明らかな変化を認めず、視神経乳頭部も含め、びまん性の高信号を認めた。今後は、内因性信号やelectrically evoked responseをパラメータとして電流の強度、刺激時間、頻度などについて有効なプロトコールを探索する予定である。
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Research Products
(20 results)