2008 Fiscal Year Annual Research Report
網膜神経節細胞死における小胞体ストレスの分子メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
20592082
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
嶋澤 雅光 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (80381721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 小胞体ストレス / 緑内障 |
Research Abstract |
培養網膜神経節細胞における小胞体ストレス細胞死を抑制する化合物のin vitroスクリーニング ラット培養網膜神経節細胞株(RGC-5)を用いてツニカマイシン誘発小胞体ストレス細胞死に対するスクリーニングを実施した。スクリーニングには本学で所有している天然物由来の化合物、市販試薬および医薬品として開発中の候補化合物等を入手して検討した。そのスクリーニングから小胞体ストレス細胞死を抑制するいくつかの天然成分および化合物を見出した。そのなかで、抗酸化作用およびカルシウムチャネル遮断作用を有するSUN N8075[(2S)-1-(4-amino-2,3,5-trimethylphenoxy)-3-(4-[4-(4-fluorobenzyl)phenyl]-1-piperazinyl)-2-propanol dimethanesulfonate]が強力にその細胞死を抑制することが明らかになった。一方、他の抗酸化剤およびカルシウムチャネル遮断薬には明らかな保護作用は認められなかった。また、 SUN N8075はツニカマイシンにより誘導されるGRP78/BiPおよびCHOP蛋白質の発現に対して明らかな作用を示さなかったことから、本剤は小胞体ストレスの発現自体には作用していないと考えられる。以上の結果から、 SUN N8075の小胞体ストレス細胞死抑制作用は新規な機序を介していることが示唆された。今後、この細胞死抑制機序を解明することにより小胞体ストレス細胞死の機序解明ならびに緑内障をはじめとする網膜疾患に対する新規神経保護薬の開発に繋がる可能性が期待される。
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