2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592084
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
下村 嘉一 近畿大学, 医学部, 教授 (20162737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 昌彦 近畿大学, 医学部, 准教授 (40218938)
阿部 考助 近畿大学, 医学部, 講師 (00222646)
檜垣 史郎 近畿大学, 医学部, 講師 (90238262)
菅原 大輔 近畿大学, 医学部, 講師 (30309314)
杉岡 孝二 近畿大学, 医学部, 講師 (50399119)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 細胞・組織 / 角膜ヘルペス / DNA / PCR |
Research Abstract |
本研究では、まず、移植角膜ヘルペス患者を対象として、移植時得られたホスト角膜を使用して、ヘルペスウイルスDNAの角膜における存在を調査した。我々は、全層角膜移植時に得られた28レシピエント角膜を、nested PCR法、Real time PCR法に供し、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、水痘帯状庖疹ウイルス(VZV)、cytomegalovirus (CMV)、adenovirus (AdV) DNAの有無を調べた。28眼中、HSV-1 DNAは10眼(35.7%)、HSV-2DNAは1眼(3.6%)、VZV DNAは9眼(32.1%), CMV DNAは2眼(7.1%), AdV DNAは0眼(0%)で検出された。CMV DNAがヒト角膜から検出されることを、世界で初めて報告した。そして、HSV DNAの涙液中での検出率を調べた。正常眼は12眼中1眼、8.3%、ドライアイは11眼中3眼、27.3%、結膜炎は15眼中4眼、26.7%であった。ヘルペス以外の眼疾患により、ウイルスDNAの無症候性排泄が高まることを見出した。 また、ヘルペス性角膜炎再発抑制の有用な方法を見出すために、HSV-1潜伏感染再活性化マウスモデルにおいて、7種類の薬物が再活性化抑制に効果を認めるか調べた。7種類の薬物は、エトドラク(COX-2阻害薬)内服、ブロムフェナックNa(COX-2阻害薬)点眼、プラノプロフェン(COX阻害薬)点眼、アスコルビン酸(ビタミンC)内服、亜鉛内服、AMP筋肉注射、ゲルダナマイシン(熱ショック阻害薬)腹腔下注射であった。これらのうち、ブロムフェナックNa点眼、AMP筋肉注射、ゲルダナマイシン腹腔下注射は、有意なHSV-1再活性化抑制効果を認めた。今後、家兎での検討が望まれる。
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