2008 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞を利用した神経堤症治療モデルの確立・神経堤細胞の分化機構の解析
Project/Area Number |
20592086
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
本橋 力 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 講師 (40334932)
|
Keywords | 神経堤細胞 / ES細胞 / 神経堤症 / 転写因子Sox10 / セルソーター / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
本研究の目的は、「ES細胞から誘導した神経堤細胞を用いて、その分化機構を解明し、再生医療によって神経堤症治療をめざす」ことである。この目的により、我々は神経堤細胞に発現する転写因子Sox10を蛍光タンパク質で標識した遺伝子改変マウスES細胞を作成し、試験管内での神経堤細胞の誘導、およびセルソーターを用いた神経堤細胞の純化に成功した。また、このES細胞から遺伝子改変マウスを作成し、生体内での神経堤細胞の可視化にも成功した。平成20年度においては、ES細胞から誘導した神経堤細胞の移植モデルを構築する目的で、純化したES細胞由来神経堤細胞を器官培養した胎仔腸管への移植を試みた。ES細胞由来の神経堤細胞の胎仔腸管への生着は認められたが、末梢神経系細胞への分化は認められなかった。現在、ES細胞由来の神経堤細胞のより細分化した分離方法や移植方法及び細胞採集後の移植時期の検討を行っている。また、本年度は、神経堤細胞を可視化したマウスを利用して、胎仔皮膚において神経堤様の細胞が維持されていることを見いだし、その分離に成功した。現在、その幹細胞性、多分化能の解析を行っている。さらに、マウスES細胞の神経堤細胞への誘導系を応用して、ヒトES細胞から色素細胞の誘導にも成功した。神経堤細胞の最終分化細胞である色素細胞の誘導の成功は、その分化段階の解析によってヒトES細胞由来の神経堤細胞の同定に結びつくと思われたが、色素細胞の誘導効率が非常に低かったため、解析するには不十分であった。現在、効率よい色素細胞の誘導法の検討を行っている。
|
Research Products
(4 results)