2009 Fiscal Year Annual Research Report
新素材を足場骨格に応用した小児の気管・気管支再生に関する研究
Project/Area Number |
20592087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
臼井 規朗 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (30273626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 順司 大阪大学, 工学系研究科, 准教授 (60323531)
谷 岳人 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60467561)
神山 雅史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20403074)
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Keywords | 再生医療 / 気管軟骨 / Scaffold-free / 細胞接着 / Tissue engineering / Cell sheet / 回転培養 / Cylindrical cartilage |
Research Abstract |
1)気管軟骨再生に用いる生体吸収性の足場として、ポリトリメチレンカーボネイトを材料に適切な強度でを保ちつつ多数のporeを有する足場を形成するための素材加工の方法を引き続き検討した。Chol-PTMCとmPEG-PTMCを種々の比率で混合した足場を作成して、これに気管軟骨細胞を播種したが、Poreサイズが大きくかつ生体吸収性がよくなるような混合比率においては、十分な強度が保てず軟骨細胞が増殖して円筒状の構造体になるまで円筒状構造を維持できなかった。一方、足場素材が分解する際の細胞毒性を全く生じさせない手段として、細胞シートを応用して作成した軟骨細胞シートを用いて円筒状軟骨構造体の形成を試み、これを上記の足場を用いた円筒状軟骨構造体と比較した。2)まず軟骨細胞シートの作成には、家兎耳介軟骨を2×10^6/mlの高密度に播種して7日間静置培養することによって、一端を把持して保持できるだけの強度を保つようになることが明らかとなった。この細胞シートを、シリコンチューブを支柱として円筒状に形成して培養管内で静置培養および10rpmの回転培養を行った。培養を6週間継続して形成された円筒状軟骨構造体について、外観、基質の厚さ、弾性強度、ヤング率、固定後のHE染色およびSaffrani-O染色、II型およびI型collagenの免疫組織化学染色、軟骨組織中のglucosaminoglycan量測定を行った。6週間のin vitroでの回転培養では、十分な弾性と輪切りにしても形状を保てるだけの骨格強度を有する円筒状の軟骨構造体が再生された。円筒状軟骨構造体は、回転培養の条件下で正常耳介軟骨と同程度のglucosaminoglycanを含有し、Saffrani-O染色およびII型collagen染色にても正常軟骨と同様の軟骨細胞基質が形成されていた。これに比べてポリトリメチレンカーボネイトを足場とした軟骨構造体では形状・強度とも不良であった。
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Research Products
(2 results)