2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本小児肝がんスタディグループにおける治療戦略のための分子基盤の構築
Project/Area Number |
20592088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山岡 裕明 Hiroshima University, 病院, 講師 (90311810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
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Keywords | 癌 / 臨床 / 肝芽腫 / 小児 / リスク分類 / マイクロアレイ / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
肝芽腫のうち、予後の良い標準リスク群で治療を軽減できる腫瘍の層別を、高リスク群では有効は治療開発への分子標的探索に向けて、へ1999年からJPLT-2治療プロトコールにて治療して中央病理診断された昨年の98例に加えてさらに30例(生存21,死亡9)を検討に加えた。インフォームドコンセントを得て保存された18組の患者及び両親の体細胞検体を検討を継続した。多型解析用アレイと全ゲノム発現解析用アレイ等を用いて解析にて、高頻度に異常のある染色体のうち1qが特に高頻度に異常を認め、さらに発現解析用アレイでは、これらの部位に存在する遺伝子の異常を検索し、予後不良な症例で特異的に上昇あるいは低下している遺伝子を各3、4遺伝子に絞り込んだ。これらの遺伝子解析は、生検標本での病理診断の限界を一部補足する意味で重要と考えられた。また死亡例の検討から、肝内進展再発例15例と遠隔転移群23例で特異的に変動するマイクロRNAを抽出し、3個抽出した。その結果、昨年に引き続き肝内再発例は細胞周期関連遺伝子が、一方、遠隔転移例は細胞接着因子の変化が特異的であった。また、遺伝子発現にインプリント遺伝子の関与の可能性から、両親の多型を利用した解析を継続したが、11qの部位にインプリント遺伝子が両アレル発現している症例が認められた。これらの異常から、肝芽腫が、遺伝子解析から悪性度を層別化できる可能性が示唆された。また、予後不良例が多い高リスク群のうち、転移再発と局所再発が異なった遺伝子発現を示し、これらに特異的に発現した遺伝子は分子標的となることが示唆され、さらに詳細な解析を行う必要があると考えられた。
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