2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592090
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塩川 祐一 Kyushu University, 大学病院, 講師 (70457422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 隆治 九州大学, 医学研究院, 教授 (70136464)
田ノ上 禎久 九州大学, 大学病院, 助教 (40372742)
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Keywords | 小児体外循環 / 小型遠心ポンプ / 左心補助 |
Research Abstract |
以下に示すモデルを用い,昨年報告したfeasibility studyの追加実験を行い,論文として発表するにあたってのデータ収集・整理を行った.新生児に模した体重3.5kgの家兎を使用し,TinyPumpを組み込んだ左心補助(LVAS)による短時間の補助循環を行った(T群).対照としては,本邦で臨床使用し得る最小の遠心ポンプである日機装HPM-05(ポンプ内充填量25ml)を使用した(H群).回路は無血充填とし,同一の回路を用いてT群で25mL,H群で45mLの総充填量とした.左室心尖脱血,上行大動脈送血にて4時間,流量200mL/分の維持を目標とした体外循環を行った.評価項目はポンプ回転数,血行動態,血液ガス,ヘモグロビン(Hb),遊離Hb,生化学検査値とした.得られた結果は以下の通り.回転数はT群2042-2204rpm,H群1395-1505rpmを要しT群で有意に高い回転数であった(p<0.01).血行動態に関する各種指標は両群間で差を認めなかった.BE,SvO2に関しても両群間で差を認めなかった.体外循環開始前値に対する開始後のHbはT群0.67-0.82,H群0.50-0.60であり全経過を通してT群で高値であった(p<0.05).遊離HbはT群8-33mg/dL,H群8-28mg/dLと差を認めなかった.生化学検査では総ビリルビンがT群0.025±0.010mg/dL,H群0.060±0.036mg/dL,ASTがT群62.3±17.3IU/L,H群137.8±71.3IU/LとT群で低い傾向を認めた(それぞれp=0.15,0.13)が,ALT,LDH,クレアチニンは両群間に差を認めなかった.以上の結果をまとめ,英文誌(ASAIO J)に原著論文として投稿中である.また,invivoでの抗溶血性能についてさらに検討すべく3.5~4kgの畜産ブタ他を用いたモデルの作成にも現在取り掛かっている.
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Research Products
(3 results)