2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児固形腫瘍,特に小児肝癌における腫瘍感受性遺伝子ならびに関連因子に関する研究
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20592092
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
池田 太郎 日本大学, 医学部, 助教 (00318396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 浩喜 日本大学, 医学部, 客員教授 (90322073)
杉藤 公信 日本大学, 医学部, 助教 (10328750)
古屋 武史 日本大学, 医学部, 専修医 (20568539)
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Keywords | 小児固形腫瘍 / DNAメチル化 / 癌関連遺伝子 / MassARRAY epiTYPER法 |
Research Abstract |
前年度までにマウスの組織および腫瘍特異的DNAメチル化領域のヒト相同領域から神経芽腫において4遺伝子、肝芽腫、腎芽腫において1遺伝子領域内のメチル化異常を確認できた。当該年度、さらに以下の検討を追加した。 SLC16A5遺伝子、ZNF206遺伝子:前年度までに神経芽腫においてSLC16A5遺伝子に存在する領域の低メチル化が予後不良因子であり、ZNF206遺伝子に存在する領域の高メチル化が予後良好因子であることが確認できた。さらに腫瘍細胞においていずれの遺伝子も高メチル化状態で発現が低下している傾向にあった。当該年度は、SLC16A5遺伝子について発現安定株を作製し、腫瘍での機能(細胞増殖能、抗癌薬剤への耐性能、細胞浸潤能)について検討を行った。その結果、SLC16A5遺伝子の発現による神経芽腫での関与は認められなかった。現在、神経芽腫における新規予後因子としての両領域のDNAメチル化異常を論文投稿準備中である。 NR4A3遺伝子:前年度までに神経芽腫において同遺伝子に存在するDNAのメチル化領域の低メチル化が予後不良因子であることを確認した。当該年度は、神経芽腫において同領域の低メチル化により転写因子(CTCF)のDNAとの結合が可能となることで同遺伝子の発現が抑制されていること、さらにマウス相同領域の高メチル化がマウスの脳組織発達に関与していることが確認できた。現在、同遺伝子の発現安定神経芽腫細胞株が作製できており機能解析を行って論文投稿する予定である。 ZAR-1遺伝子:前年度までに検討したすべての小児固形腫瘍において同遺伝子に存在DNAメチル化領域が高メチル化であることが確認できた。当該年度は検体数の揃う神経芽腫において予後との関係を検討するも明らかな予後との相関を認めなかった。今後、小児固形腫瘍に共通した腫瘍関連因子としての機能を検討し、論文投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)