2009 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性腫瘍微小環境の新たな評価法:適切な再建と診断を目指して
Project/Area Number |
20592099
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森 秀樹 Ehime University, 医学部附属病院, 医員 (60325389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 聡史 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50419511)
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Keywords | 乳房外Paget病 / 血管・リンパ管新生 |
Research Abstract |
乳房外Paget病/Paget癌患者の87症例の皮膚病変部及び正常部より得たパラフィン切片に対して、第VIII因子(血管)及びpodoplanin(リンパ管)に対する抗体を用いて蛍光二重染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡(Zeiss LSM510)で観察し、画象ソフトウェアを用いて血管・リンハの単位面積あたりの管腔の相対占有面積(BVA)を算出した。これを1.正常皮膚群、2.病変部の辺縁正常皮膚群、3.表皮内(Stage IA)、4.組織学的浸潤癌(Stage IB-IV)の4群に分け、統計学的解析(Welchのt検定およびχ^2検定:p値が0.05未満で有意)を行った結果、乳房外Paget病こおける血管新生は病期の進行に伴い増大するが、リンパ管新生は表皮内癌の段階で既に強力に誘導され、病期の進行とともに増大するものではないことが明らかとなった。 一方で浸潤癌43例のうち浸潤度が高く、所属リンパ節転移陽性であった14例では上皮一間葉転換(EMT)を来しており、腫瘍細胞の高い浸潤能が示唆された。さらに、悪性度の高いPaget細胞はケモカイン受容体CXCR4を発現しており、さらに、原発巣で活性化したリンパ管は、CXCR4の特異的リガンドであるstromal cell-derived factor-1 (SDF-1)を発現しいた。 すわなち、乳房外Paget病では、CXCR4-SDF-1及びEMTを介したリンパ管侵襲が、リンパ行性転移を促進していることが示唆された。
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