2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592100
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
梶川 明義 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (70260495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 裕美 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20457790)
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Keywords | 顔面成長 / 軟骨性骨形成 / 下顎頭移植 |
Research Abstract |
近交系同週齢ラット下顎骨移植モデルの作製と成長制御因子の探究 6週齢のルイスラットを2頭1組として用い、donor ratから総頚動脈と外頚静脈を血管茎とする下顎骨と周囲組織を採取し、recipient ratの同一動静脈にマイクロサージャリーを用いて吻合し、移植した。移植により、咀嚼運動などの外的力学的ストレスを失った下顎頭では、proliferative zoneからtransitional zone、hypertrophic zoneそしてdegenerative zoneに至る自然な軟骨細胞の配列が乱れ、proliferative zoneの下層に、不規則に骨芽細胞や線維芽細胞が現れ、異所性の骨形成が認められた。またマクロ的にも下顎頭の形態が長球形から球形に変化するのを認めた。このことは、外的力学的因子が、下顎頭における内軟骨性化骨の規則性の維持に重要であり、外的力学的因子が喪失すると、下顎頭部の未分化間葉系細胞の増殖能は保たれるが、分化の方向性が不安定になり、骨芽細胞や線維芽細胞へ分化・増殖することを意味している。 この咀嚼運動による外力に代わり、下顎頭の軟骨細胞の分化増殖をコントロールする成長制御因子を求めて、研究を行った。(1)下顎頭を筋肉内や肩鎖関節部に移植したモデルでは、皮下に移植したモデル同様に、未分化間葉系細胞から軟骨芽細胞への規則正しい分化増殖が失われ、顎運動に代わる力学的因子としての効果は確認されなかった(2)TGF-βを加えたモデルでは、増殖能が増加する傾向が認められたが、規則的な分化は認められなかった。対照群とTGF-β投与群の間に、増殖能の有意差があるかについては、現在、標本を分析中である。 下顎頭軟骨における成長に関する力学的因子と液性因子の役割について、実験結果を分析し、学会等で発表の予定である。
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