2009 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋・顎・顔面領域のおけるヒト耳介軟骨前駆細胞を用いた軟骨再生法の開発
Project/Area Number |
20592101
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小林 眞司 Yokohama City University, 医学研究科, 客員研究員 (90464536)
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Keywords | 軟骨膜細胞 / 軟骨前駆細胞 / 軟骨再生 / 軟骨膜 / ヒト耳介弾性軟骨 |
Research Abstract |
我々はヒト耳介より分離された"ヒト弾性軟骨間葉系前駆細胞"を用いて、特性解析の推進および3次元形態を有する軟骨の再構築を目的としている。本年度は(1)生体内における"ヒト耳介弾性軟骨問葉系前駆細胞"由来の再生軟骨の免疫不全マウスへの移植による再生軟骨の評価と(2)生体内における足場材料を用いた"ヒト耳介弾性軟骨間葉系前駆細胞"由来再生軟骨の作成および評価を行った。具体的には、(1)軟骨に分化誘導させた軟骨膜細胞由来および軟骨細胞由来の軟骨細胞を重症免疫不全(NOD/SCID)マウスの背部皮下に細胞を注入し移植を行った。移植3ヶ月後に形成された軟骨様組織を摘出し組織学的解析を行ったところ、軟骨膜細胞は軟骨細胞と同様にin vivoで成熟軟骨細胞へと分化し、その産生基質であるプロテオグリカンや弾性線維に富む弾性軟骨組織を再構築した。また、免疫組織化学染色からII型コラーゲン陽性弾性軟骨組織の周囲をI型コラーゲン陽性の膜様組織が被覆していることが確認された。移植後10ヶ月目に摘出した再構築組織でも同様な結果であった。一方、腫瘍形成、線維性組織形成、血管侵入や石灰化沈着は全く観察されなかった。これらの結果から、軟骨膜細胞はin vivoで生体組織と同様な組織構造を持つ弾性軟骨組織を長期的に再構築することが判明した。さらに、移植10ヶ月後の軟骨膜細胞由来軟骨および軟骨細胞由来軟骨細胞の乾燥重量を比較した結果、統計学的優位差をもって軟骨膜細胞由来軟骨の方が重いことが分かった。これらの結果から、軟骨膜細胞はin vivoで弾性軟骨組織を長期的に再構築することが判明した。 (2)軟骨膜細胞を足場材料としてのコラーゲンスポンジに播種しNOD/SCIDマウスの背部皮下に移植した結果、1ヶ月後にプロテオグリカンや弾性線維に富む弾性軟骨組織を再構築した。
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