2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスキャホールドによる高有効性・低侵襲性ハイブリッド型血管新生療法の開発
Project/Area Number |
20592102
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
福本 真也 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 助教 (90381996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 英則 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80301852)
|
Keywords | 創傷治癒学 / 虚血性難治性潰瘍 / 血管新生療法 |
Research Abstract |
研究の目的:虚血性難治性潰瘍に対する自己骨髄/末梢血単核細胞移植による血管新生療法の有効性を増幅するナノスキャフォールド開発のための基礎検討をおこなう。 当概年度の研究成果: 1. ナノスキャホールドの作成と調製(担当:古薗、岡田) 引き続きH21年度も、ポリ乳酸(PL)を粒子の核としてナノアパタイトでコーティングしたナノスキャフォールド粒子を作成し、均一な粒子を量産できる作成条件を決定しつつある。 2. マウスを用いた下肢虚血実験(担当:福本、小山、三間) H20年度に引き続き虚血モデルでの有効性の検討を行い、H21年度からは新たにそのメカニズムの検討を開始した。GFP-transgenic mouseの大腿骨から採取した骨髄細胞をwild typeマウス虚血肢に移植するモデルによって、虚血組織中に移植した骨髄細胞とナノスキャフォールドが移植7日以上経っても組織中で共存していることを組織学的に確認した。一方で、ナノアパタイトでコーティングしないPL粒子と細胞を共移植した群では、移植7日目には移植細胞が粒子周囲に認められなかった。このことからナノスキャフォールドは移植細胞を長期間移植局所(粒子周囲)に留めておけることが示された。H20年度には、細胞単独移植した群と比較してナノスキャフォールドと共移植した群では下肢壊死回避効果が有意に高いことをカプランマイヤー法(ログランク検定)で示したが、H21年度では更に、PL粒子と細胞を共移植した群等の対象群を増やして検討し、いずれの群と比較してもナノスキャフォールドと細胞を共移植した群での治療効果が統計的有意に最も高いことが示された。また、動脈造影検査においても、ナノスキャフォールドと細胞を共移植した群では、毛細血管が多数新生していることを確認した。H22年度では更にこの新生血管の密度が統計学的有意に高くなること検討し、有効性の立証をより確実なものとする予定である。治療メカニズムの検討では、虚血組織内の血管新生性サイトカインを測定した。ナノスキャフォールドと細胞を同時移植した群では、移植3日目と7日目のFGF2やVEGFのサイトカインの組織中濃度が、細胞単独移植群やPL粒子と共移植した群等のコントロール群に比べて、有意に高値であることが示された。長期に移植細胞を移植局所に留めることで、移植細胞からのパラクライン効果の増幅をきたし、血管新生を効率よく行う機序が考えられた。免疫染色による組織学的評価でも、ナノスキャフォールドと移植細胞の共存部位からVEGFが周囲に拡散している状況が捉えられた。
|
-
[Journal Article] Regions of Arterial Stenosis and Clinical Factors Determining Transcutaneous Oxygen Tension in Patients with Peripheral Arterial Disease.2010
Author(s)
Hiroki Ueno, Shinya Fukumoto, Hidenori Koyama, Shinji Tanaka, Takaaki Maeno, Masahiro Murayama, Yoshiko Otsuka, Yohei Mima, Yuji Kawaguchi, Tetsuo Shoji, Masaaki Inaba, Yoshiki Nishizawa
-
Journal Title
J Atheroscler Thromb. (In press)
Peer Reviewed
-
-