2009 Fiscal Year Annual Research Report
p53欠損マウスを用いた再生軟骨周囲の軟骨膜様組織における再生誘導機構の解明
Project/Area Number |
20592104
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
中塚 貴志 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (80198134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和人 東京大学, 医学部付属病院, 特任准教授 (30344451)
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Keywords | 軟骨再生 / 軟骨膜 / 虚血 / P53 |
Research Abstract |
軟骨膜は、軟骨組織の酸素供給や軟骨細胞の恒常性維持、弾性特性の補強などに必要不可欠である。移植された再生軟骨周囲にも軟骨膜様組織が形成されるが、生理的組織と同様、再生軟骨の組織維持・永続的生着に重要な役割を果たすことが予想される。本研究の目的は、低酸素下でもアポトーシスが誘導されにくいp53遺伝子欠損マウスを用いて、低酸素ストレスにより軟骨細胞や軟骨膜様組織に惹起されたアポトーシスが軟骨再生に与える影響を検討することである。 本年度は、2)マウス虚血モデルにおける再生軟骨の血行、組織構築、細胞死の検索、3)p53遺伝子欠損マウスを用いた低酸素誘導apoptosisの抑制と再生軟骨に対する作用の解析を行った。 2) に関しでは、純系マウス(C57BL/6J、雄性6週)の耳介軟骨組織から単離した軟骨細胞を増殖させ、回収した細胞をPLLA足場素材(1×1×0.3cm)へ投与し再生軟骨組織を作製した。作製した再生軟骨組織を、マウス虚血モデルの背部皮下へ同系移植した。その結果、虚血モデルへ移植された再生軟骨組織は、移植後8週で組織学的に再生軟骨組織の成熟が抑制される傾向を示した。来年度は、摘出した再生軟骨の一部を酵素処理で可溶化し、I、II型コラーゲンELISA定量、プロゲオグリカン比色定量で基質産生の評価を行うほか、細胞死に関してより詳細に評価を行う予定である。 3) では、p53-/-およびp53+/+マウスの耳介軟骨細胞を低酸素下で培養し、それぞれの細胞から作製した再生軟骨組織を53+/+マウスの虚血モデルへ移植する検討をおこなった。移植後の再生軟骨における基質産生、血管密度の解析を継続している。来年度は、ホストにp53-/-マウスを用いて同様の検討を行う予定である。
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Research Products
(17 results)