2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592106
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大浦 紀彦 Kyorin University, 医学部, 講師 (40322424)
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Keywords | 微小循環 / 褥瘡 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
褥瘡は、非可逆的な軟部組織損傷を起こす、外力負荷に起因する微小循環障害が原因とされている。当該研究の目的は(1)静的垂直応力(2)ずり応力(3)虚血再灌流障害の3つの影響を微小循環動態変化から明らかにし、褥瘡予防のための正確な基礎データを提供することにある。 本年度は、2つの系での研究を行った。 a.微小循環可視化・垂直応力負荷モデルの開発 静的垂直応力に関して、ウイスターラットの睾丸挙筋を用いて、微小血管網を生体顕微鏡下に観察を行いた。近位部から血管分岐ごとにAO(>200μm),A1(80<D<120μm),A2(60<D100μm),A3(D<60μm)とし、先端を平坦化した24G針(φ0.55mm)で血管を圧迫し、生体顕微鏡下に血流が停止する圧力を計測した。その結果、A1における血流停止圧の平均は101.9mmHg,A2における血流停止圧の平均は80.55mmHgA3における血流停止圧の平均は56.09mmHgであった。毛細管においてはLandisが報告した32mmHgで血流は停止することはなく、血流が停止するにはA3細動脈血流停止圧以上の力が必要であった。 b.ヒト皮膚微小循環観察用生体顕微鏡を用いた皮下微小循環の圧迫および観察CCDビデオカメラと圧センサーを組み合わせた微小循環観察用生体顕微鏡を使用して、圧迫を負荷によって、ヒト皮下微小循環が停止する圧を計測できる装置の開発を行った(H20年度申請したロードセル付きCCDカメラを使用した)。現行の指における皮下微小循環のみではなく、前腕、下腿、足背部での皮下微小循環の観察が可能になった。
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