2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫細胞を組み込んだハイブリッド型人工皮膚モデルを用いた創傷治癒の研究
Project/Area Number |
20592107
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
加王 文祥 Showa University, 医学部, 講師 (10327893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保阪 善昭 昭和大学, 医学部, 教授 (40156998)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / ヒト皮膚モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は今まで使用してきた人工皮膚材料にさらに組織工学的手法を用いて免疫細胞を加えヒト皮膚モデルとし、これに対して創傷を作製して実際の皮膚における創傷治癒過程をシミュレーションして解明するとともに、その過程において培養液中に各種創傷治癒因子を付加して創傷治癒反応の変化を調べることである。 本年度は単球を付加したヒト皮膚モデルにレーザーを照射して創傷を作成した後の創傷治癒過程について新たな指標となる免疫染色の抗体を導入してその変化を調べた。さらに標本内に単球を組み込むための基礎実験とその創傷治癒の変化についての病理組織的・免疫組織化学的検索は現在も継続中である。 昨年度からこれらの成果を臨床応用するために人工皮膚モデルの改良を目的としてアミノ酸1%と水99%から構成される繊維構造を持ち、動物由来の材料や病原体が含まれず生体適合性に優れているペプチドハイドロゲルを担体として用いた培養皮膚を新たに開発して特許申請したが、本年度はさらに人工真皮、皮膚作製においては、合成担体であるペプチドハイドロゲルの合成の際にアミノ酸の種類と数を変えることにより細胞増殖促進機能を付加できることを報告した。 具体的には培養真皮の担体として合成ペプチドハイドロゲルRADA16(50%)とRADA16にラミニン中のYIGSR接着ペプチドを付加したペプチドハイドロゲル(SDP)(50%)を混合したものを担体に使用した。新生児由来ヒト真皮線維芽細胞をペプチドハイドロゲルと混合して真皮層を作製して3週間培養した後、真皮層上に新生児由来ヒト表皮角化細胞を用いて表皮層を作製してさらに1週間培養した標本から病理切片を作製しHE染色と免疫組織化学染色を行った。また真皮内の線維芽細胞数、コラーゲン量、培養液中のコラーゲン量を定量した。このことにより担体自体に機能を組み込んで細胞の遊走、誘導、増殖分化、機能発現を制御できる可能性を示した。
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Research Products
(4 results)