2009 Fiscal Year Annual Research Report
過大侵襲時における免疫修飾作用としての超短時間作用型β1遮断薬の心筋に対する効果
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20592119
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
辻田 靖之 Shiga University of Medical Science, 医学部, 講師 (60343224)
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Keywords | β遮断薬 / 炎症性サイトカイン / 全身性炎症反応症候群 / 心機能 / 心筋保護 / 心房細動 |
Research Abstract |
過大侵襲時における免疫修飾作用としての超短時間作用型β1遮断薬の心筋に対する効果を調べるため、全身性炎症反応症候群(SIRS)の診断基準を満たす患者の頻脈性の発作性心房細動(AF)に対して塩酸ランジオロール(LAN)を投与した症例ついて心拍数・血圧(n=16)、心係数等の血行動態(n=9)を測定した。またLAN投与前後の炎症性サイトカイン濃度の変化を測定した(n=5)。LAN投与前後の心拍数149±22→88±16bpm(P<0.0001)、収縮期血圧120±21→112±25mmHg(P=0.1296)、拡張期血圧66±15→60±12mmHg(P=0.0048)、心係数3.16±1.04→2.44±0.44L/min/m^2(P=0.0312)、1回拍出係数21.6±5.7→29.2±7.0ml/beat/m^2(P=0.0337)であった。LAN投与前後の血中サイトカインの変化について、IL-6濃度は投与前と投与12時間後で556±754→258±239pg/ml(P=0.2868)であったが、対数変換すると2.36±0.74→2.14±0.67(P=0.0439)で有意差を認めた。IL-10は12.0±10.8→8.6±14.2pg/ml(P=0.3848)、TNF-αは3.94±3.31→3.30±1.76pg/ml(P=0.4090)で投与前後で有意差は認めず、対数変換しても有意差を認めなかった。少数での検討なので症例数を増やす必要があるが、LAN投与によりIL-6濃度が低下することが示唆された。本年度に炎症性サイトカイン濃度を測定した症例がまだ少なく次年度も解析する。また敗血症ラットモデルを使った研究も次年度進めていく。
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Research Products
(4 results)