2008 Fiscal Year Annual Research Report
ARDS患者の呼吸不全評価における全自動マイクロバブルテストの有用性の検討
Project/Area Number |
20592126
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
諏訪部 章 Iwate Medical University, 医学部, 教授 (20241713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 理恵 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70347871)
千田 勝一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30108930)
遠藤 重厚 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30160394)
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Keywords | ARDS / 肺表面活性 / マイクロバブルテスト |
Research Abstract |
本研究では、ARDS患者の気管支吸引液を用いて、全自動マイクロバブルテストによる肺サーファクタント表面活性を測定することで、ARDS患者の呼吸不全の発症予測や予後推定が可能か否かを検討することが主題である。今回の補助金申請は、11月末に採択通知が届いたことから、時間的な余裕がなく、本学倫理委員会での承認、予備的・基礎的実験のみにとどまり、本研究に直接関係する学会発表や論文作成には至らなかった。 まず、平成21年1月8日開催の本学倫理委員会にて、本研究の目的、倫理的問題などについて提示し、1月20日づけで本研究の実施が承認された(受付番号H20-107)。 承認後、直ちに種々のサイトカインなどの実験試薬を発注し、予備的実験を開始した。予備的実験としては、まず採取検体の安定性(凍結保存の影響)の検討を、ラットの肺洗浄液を用いて行った。ラットの肺洗浄液(1匹あたり10mlで2回洗浄)を、-20度で凍結し、1週間保存して、マイクロバブルテストを実施した。その結果、凍結前の平均マイクロバブル数は10個であり、これは凍結によっても減少することはなかった。しかし、同じラットの10%血清を混入させるとマイクロバブル数は1個まで減少した。検体中のリン脂質濃度は18mg/dlであった。以上の結果から、(1)臨床検体は凍結保存しても解凍後に測定可能であること、(2)血清成分の混入により十分に活性低下がおきること、が示された。 このシステムは肺サーファクタント活性を安定的に測定でき、かつARDSにおける活性低下を評価しうると考えられた。来年度以降は臨床検体を用いて評価を行う予定である。
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Research Products
(2 results)