2010 Fiscal Year Annual Research Report
ARDS患者の呼吸不全評価における全自動マイクロバブルテストの有用性の検討
Project/Area Number |
20592126
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
諏訪部 章 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20241713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 理恵 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70347871)
千田 勝一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30108930)
遠藤 重厚 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30160394)
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Keywords | ARDS / 肺表面活性 / マイクロバブルテスト |
Research Abstract |
本研究では、ARDS患者の気管支吸引液を用いて、全自動マイクロバブル(MB)テストにより肺サーファクタント表面活性を測定することで、ARDS患者の呼吸不全の発症予測や予後推定が可能か否かを検討することが主題である。平成22年度は、当院高度救命救急センターならびに集中治療室(ICU)での検体採取を継続した。昨年度の4症例(24検体)に加え、今年度は20症例(41検体)が集まった。収集検体80μLを用いてMBテストを実施した。テストは、独自に作成した茶筅型のブラシで検体を回転混和し、CCDカメラで直径15μm以下のMB数を測定した。MB数が1視野あたり平均0~1個と少ない症例が多かったために、検体中のサーファクタント・プロテイン-A(SP-A)濃度を測定した。また、検体中にサーファクタント抑制活性が含まれている可能性があり、IL-1β、IL-8、TGFβ、TNFαなどのサイトカイン含有量を測定する他に、人工肺サーファクタント(サーファクテン:0.1mg/ml)を陽性対照として検体添加による抑制活性も同時に測定した。その結果、検体の中には肺サーファクタント活性自体が低い検体の他に、抑制活性の強い検体も含まれていることが判明した。1患者での経時的な観察から、死亡直前までにこのMB数が経時的に低下する症例が見られた。この検体では抑制活性も増加しており、興味深い結果であった。今回の20症例(42検体)に、ARDS発症例が存在したか、また治療予後はどうであったか、カルテ確認中である。最終報告書にその全容を報告する予定である。ただし、SP-AとTGFβ1は検出感度以下であり、3月11日の大地震による停電で保管冷蔵庫の温度が上昇し試薬が劣化した可能性も考えられた。
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Research Products
(3 results)