2008 Fiscal Year Annual Research Report
内皮細胞の低温下LPS刺激培養での炎症性サイトカインmRNAの安定性の経時的変化
Project/Area Number |
20592129
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
櫻井 淳 Nihon University, 医学部, 助教 (40339320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 浩作 日本大学, 医学部, 准教授 (90260968)
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Keywords | 低温 / mRNAの安定性 / サイトカイン |
Research Abstract |
【研究目的】LPS刺激下で低温培養を行ったところ、NFκ-Bの出現はみられるが炎症性サイトカインのmRNAの出現がみられないことから、低温による炎症の抑制は炎症性サイトカインのtranslocationの部分で抑制を受けていることが報告されている。この機序として、短期低温下培養に比して長期低温下培養のmRNAの産生量か分解量が変化していることが一因と推定している。近年、蛋白産生の調節の一部としてmRNAのstabilityが注目されている。本研究の目的は、Actinomicin Dを用いてmRNAの半減期を測定することにより、LPS刺激後の低温培養下のmRNA stabilityを検討し、低温によるサイトカイン産生抑制の機序がmRNA stabilityによるものかを明らかにすることである。【研究実施計画】Human umbilical vein endothelial cell (HUVEC)でサイトカイン(IL-6、IL-8)のmRNA発現に合わせてLPS (1micro gram/mL)刺激下に常温群(37℃)と低温群(30℃)に分けて、24時間培養した。培養時間が終了した時点で、Actinomycin Dを10μg/mlとなるように加え2時間後、4時間後、6時間後後に細胞中のmRNAの発現をTaqMan法によるreal-time Rt-PCR (TaqMan Universal PCR Master mix, TAKARA RNA PCR kit ver.3.0, TaqMan Gene Expression Assays, IL-6, IL-8)で測定した。 【結果】IL-6ではm-RNAの安定性に低温群と常温群で有意差はみられなかった。IL-8では、m-RNAは低温群で有意に上昇していた。低温でmRNAの安定性はIL-6では変化を認めないが、IL-8において安定性が増加することが示唆された。IL-8の検討ではActinomycin D投与群が非投与群に比して有意に上昇を認めており、この原因に関しては現在検討中である。本研究は日本救急医学会、3^<rd> international hypothermia symposiumに発表し論文化の予定である。
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