2008 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼を制御する高次脳の下行抑制性および興奮性神経機構の機能形態学的解明
Project/Area Number |
20592138
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 篤 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授 (90201855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 正之 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (80303981)
小野 高裕 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (30204241)
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Keywords | 脳 / 神経 / 解剖 / 歯学 / 咀嚼 |
Research Abstract |
咀嚼運動の発現において働いている高次脳の下行制御機構の解明をめざした本申請研究において、平成20年度は、咀嚼筋の収縮を引き起している三叉神経運動ニューロンを興奮または抑制させる三叉神経運動運動前ニューロンに対する大脳皮質からの投射の様態を、逆行性と順行性神経トレーサーを用いて形態学的に解明した。その結果、運動前ニューロンの存在部位に次の3種の部位、1)主に閉口筋運動前ニューロンのみが存在する三叉神経間域など、2)主に開口筋運動前ニューロンのみが存在する開口筋運動核の内側の網様体など、3)両運動前ニューロンが混在する結合腕傍核、三叉神経上核、三叉神経吻側核の背側部、三叉神経傍域などが認められた。これらのうち、三叉神経間域へ投射する皮質ニューロンは、主に無顆粒皮質外側部の吻側部、一部無顆粒皮質内側部の吻側部に認められた。開口筋運動核の内側の網様体へ投射する皮質ニューロンは、主に無顆粒皮質内側部の吻側部、一部無顆粒皮質外側部の吻側部に認められた。三叉神経吻側核背側部と三叉神経傍域へ投射する皮質ニューロンは、いずれも主に一次体性感覚野の吻側部、一部無顆粒皮質外側部の吻側部にも認められた。以上より、大脳皮質から三叉神経運動前ニューロン群へ、複数の下行路が存在することが明らかになった。本研究成果は、Journal of Comparative Neurology誌に印刷中である。
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Research Products
(6 results)