2009 Fiscal Year Annual Research Report
小型実験動物におけるリンパ管マッピング-頭頚部を中心に-
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20592144
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤村 朗 Iwate Medical University, 歯学部, 准教授 (80173459)
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Keywords | リンパ管構築 / 口腔 / 頭頸部 / 実験動物 / 発生 |
Research Abstract |
平成20年度はマウスの成体の頬粘膜および下顎骨歯根膜のリンパ管構築を明らかにした。マウス成体の歯根膜には歯槽頂部と根尖部にはリンパ管は存在するが、歯根中央部には存在しないことが確認できた。平成21年度にはこれらを論文として発表し、さらに、マウス眼窩下神経(知覚神経)の神経内膜内の血管構築を明らかにした。併せて、神経再生に重要な働きをしていると考えられる排導系の一翼を担うリンパ管の存在を証明した。また、歯根膜の発生に伴う歯根膜のリンパ管の変化を観察するため、歯根の発生ステージごとに観察したところ、歯肉上皮および歯堤にはリンパ管が存在するが、歯小嚢周囲(歯の発生初期)にすでにリンパ管が存在しないことが判明した。この理由は不明であるが、歯小嚢周囲にリンパ管が存在しないということから、当然成体の歯根膜中央部にはリンパ管が存在しないことになる。すなわち、歯根膜にはリンパ管が必要ないことになる。ヒトの歯肉のリンパ管構築も合わせて検索した。ヒトの場合にはマウスよりその分布量は多いことが推定されたが、定量的な観察はまだ行っていない。ヒト歯肉のリンパ管の形態は棍棒状のものが多く、歯肉上皮下リンパ管網は密な亀甲状を形成していた。これらの網目からは歯槽歯肉に向かうものと歯槽頂上を歯頸部取り囲むように走行している集合リンパ管に向かうものがあった。薬剤投与経路としては歯肉溝上皮および付着上皮経由して粘膜固有層に侵入した薬剤を吸収することが可能であるため皮非常に有効な部位であると推測できた。平成22年度には予防的薬剤投与経路として現在考えている口蓋および上顎舌側歯肉のリンパ管構築を中心にリンパ管マッピングを行う予定である。
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Research Products
(10 results)