2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592145
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
草間 薫 Meikai University, 歯学部, 教授 (20130479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 英明 明海大学, 歯学部, 教授 (10178551)
田中 章夫 明海大学, 歯学部, 助教 (30406392)
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Keywords | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 上皮間葉移行 / E-cadherin / vimentin / TGF-β / Snail / podolanin |
Research Abstract |
本研究では、口腔扁平上皮癌における上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition : EMT)の関与を明らかにする目的で口腔癌症例のホルマリン固定パラフィン包埋材料および各種口腔癌由来細胞株を用いて上皮性マーカー、間葉系マーカーおよび関連因子の発現状況について検索した。口腔癌症例では上皮性マーカーの代表であるE-cadherinに対する陽性反応は減少しているか消失しているかであった。間葉系マーカーの代表であるvimentinに対する反応はE-cadherinの減少、消失の部位に一致してみられ、全症例の16%で認められた。TGF-βは77%、Snailは63%の症例で認められたが、各種臨床病理学的事項やinvasive front gradingと相関性はみられなかった。唯一Snailの発現はリンパ節転移と相関関係を認めた。各種頭頸部扁平上皮癌由来株を用いたreal time RT-PCR法による検索では、Ca9-22, HSC-2, HSC-3でE-cadherinのmRNA発現が経時的に増す傾向にあり、また、HSC-4でvimentinのmRNA発現が経時的に増す傾向が認められた。腫瘍の浸潤・転移に関連するとされるpodoplaninの発現に関してはCa9-22およびHSC-4で高いことが示された。免疫組織学的にpodoplaninは癌胞巣の基底に相当する細胞での発現が目立ち、EMT非依存性のcollective cell invasionが多くの症例で生じていることが考えられた。この現象は、良性腫瘍でありながら局所侵襲性の高いエナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍、多形腺腫でも認めている。転移巣における各種マーカーの発現は一定の傾向をみず、口腔扁平上皮癌におけるEMTのあり方は、個々の症例により異なることが考えられた。
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Research Products
(10 results)