2010 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部の胎生期組織の発生・成長・消失調節機構の解明
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20592146
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
天野 修 明海大学, 歯学部, 教授 (60193025)
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Keywords | 甲状腺 / 甲状舌管 / 脂肪酸結合タンパク / アポトーシス / 細胞増殖 / 軟骨吸収 / 骨端板軟骨 / 軟骨内骨化 |
Research Abstract |
1. 甲状舌管の発生と消失 マウス胎仔での甲状腺原基は、胎齢11日に舌根(この時期では未だ舌が未完成)に上皮の肥厚として生じ,同時に同部がTTF-1免疫活性を呈する。TTF-1免疫陽性の上皮索が下行して,頸部の甲状軟骨の前に到達すると同時に、上皮索(甲状舌管)の中央部から断裂が始まり,同時に同部付近からのTTF-1免疫活性が消失した。舌骨原基軟骨は,甲状舌管消失後に形成された。甲状舌管はわずか10μm以下の直径しか有さないことが分かった。また,断裂前には甲状舌管周囲に多数のアポトーシスが見られたが,甲状舌管の上皮組織には全く認められなかったが,消失直前時期におけるアポトーシスの局在はまだ十分に確認できなかった。 2. 脂肪酸結合タンパク質の軟骨吸収部位における特異的局在 胎生期に消失するメッケル軟骨では、その消失過程ではアポトーシスはほとんど認められ無かった。しかし顕著なアポトーシスが軟骨発生・成長期の軟骨膜に顕著であることがわかったので、軟骨吸収に対する基礎データを得るため,研究対象としてデータ蓄積の大きい脛骨端の骨端板軟骨における軟骨内骨化を対象に実験を行った。 脂肪酸結合タンパク質は細胞内外の水に不溶の長鎖不飽和脂肪酸と結合して細胞内の移動やエネルギー代謝に関与している。脂肪酸の欠乏は骨形成機序に大きく影響するが疫学的,実験的によく知られているが,分子機構には不明の点が多い。主要な脂肪酸結合タンパク質に対する抗体を用いた免疫組織化学的実験で,骨梁の破骨細胞には脳型脂肪酸結合タンパク質(B-FABP)が,軟骨特異的な吸収細胞であるseptoclastsには表皮型脂肪酸結合タンパク質(E-FABP)が局在することがわかった。またE-FABPの分布は骨端板軟骨の発生成長により局在が大きく変化することも分かった。
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Research Products
(5 results)