2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜上皮異形成・上皮内癌のプロテオミクス解析-診断マーカーの確立を目指して-
Project/Area Number |
20592147
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
入江 太朗 Showa University, 歯学部, 講師 (00317570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10085772)
山本 剛 昭和大学, 歯学部, 助教 (80384189)
松永 拓 昭和大学, 歯学部, 助教 (50459202)
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Keywords | 異形成 / 上皮内癌 / プロテオミクス |
Research Abstract |
【研究の経過】 1)手術材料の形態学的解析:ホルマリン固定手術材料をパラフィン標本作製し、臨床病理学的解析を行った。必要に応じ、特殊染色や免疫染色(細胞増殖能や角化傾向の分化マーカーなど)を行い、プロテオミクス解析の結果との対比のためのデータを揃えた。また、解析に用いた症例は、臨床経過・検査データ・手術所見・経過に関するデータを保存し、立川により一元管理した。 2)Laser microdissection(LM)標本作製:LMに用いるための処理を施したスライドグラスを使用し、8μmで凍結切片の薄切を行った。ステップセクションで一枚おきにHE染色標本を作製した。薄切標本は-40℃で保存した。 3)Laser microdissectionとLC/MS/MSシステムによるプロテオミクス解析:LC/MS/MSによるプロテオミクス解析結果がLMによるサンプリングにより影響を受ける可能性があるため、適正なサンプリング数・部位の検討を行った。本年度は正常粘膜上皮と異形成部からLMにより細胞を回収し、蛋白抽出後、iTRAQ法により蛋白質の標識を行い、LC/MS/MSによりプロテオミクス解析を行った。 【研究結果】 正常粘膜上皮に比較して、境界病変においてalpha 1 globin、beta globinやH2A histone familyなどの蛋白質の発現量が増加することが明らかとなった。これらの蛋白質の診断マーカーへの応用が期待し得るものと考える。(第98回日本病理学会総会,平成21年5月3日,京都にて発表.Proc Jpn Soc Pathol98(1):364,2009)
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