2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜上皮異形成・上皮内癌のプロテオミクス解析-診断マーカーの確立を目指して-
Project/Area Number |
20592147
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
入江 太朗 Showa University, 歯学部, 講師 (00317570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 剛 昭和大学, 歯学部, 講師 (80384189)
磯邊 友秀 昭和大学, 歯学部, 助教 (40515855)
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10085772)
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Keywords | 異形成 / 上皮内癌 / プロテオミクス |
Research Abstract |
【研究の経過】 1) 手術材料の形態学的解析:ホルマリン固定手術材料をパラフィン標本作製し、臨床病理学的解析を行う。必要に応じ、特殊染色や免疫染色(細胞増殖能や角化傾向の分化マーカーなど)を行い、プロテオミクス解析の結果との対比のためのデータを揃える。また、解析に用いた症例は、臨床経過・検査データ・手術所見・経過に関するデータを保存し、立川により一元管理している。 2) ホルマリン固定標本を用いたLaser microdissectionとLC/MS/MSシステムによるプロテオミクス解析:本年度はより形態像の保存に優れているホルマリン固定標本を用いて正常粘膜上皮と異形成部からLMにより細胞を回収し、蛋白抽出後、LC/MS/MSによりプロテオミクス解析を行った。 3) TissueFAXを用いたマーカー候補分子のmorphometrical analysis:標本中における個々の細胞のマーカーの発現量を測定し、病変がどの様なphenotypeの細胞のpopulationよりなるかその解析法確立のための予備実験を行った。 【研究結果】 ホルマリン固定標本を用いた境界病変のプロテオミクス解析は、より日常の病理診断業務への応用を意識したものである。この解析により、FABP5やS100A9などの蛋白質が境界病変において発現の頻度が高いことが明らかとなった。また、これらの蛋白質を用いたTissueFaxの有効な実験系を確立した。(第99回日本病理学会総会コンパニオンミーティング,平成22年4月28日,東京にて発表.Proc Jpn Soc Pathol99(1):387, 2010)
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