2010 Fiscal Year Annual Research Report
PACAPによる唾液腺形成と分泌制御機構の解明-その臨床応用を目指して-
Project/Area Number |
20592148
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
野中 直子 昭和大学, 歯学部, 助教 (20307052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅典 昭和大学, 歯学部, 教授 (50180394)
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
中町 智哉 昭和大学, 遺伝子組換え実験室, 助教 (30433840)
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Keywords | ドライマウス / PACAP / PACAPレセプター / 耳下腺 / 顎下腺 / 舌下腺 |
Research Abstract |
[研究の目的]唾液腺におけるPACAPとPAClRの局在、ならびに唾液分泌機構を正常(若齢)と高齢および疾患モデルマウスで検討し、PACAPを用いた新しいドライマウス治療薬の開発や治療方法への臨床応用展開を目指した基礎的実験を行う。[研究の方法](1)8週齢(若齢)とC57BL/6マウス(♂)を潅流固定、耳下腺、顎下腺、舌下腺を採取し、4%パラフォルムアルデヒド-PBSにて固定を行う。(2)試料O.C.T.コンパインドに入れ凍結包埋。(3)凍結切片を作成。以下、通法に従い免疫染色を行う。(4)若齢、高齢マウスともに、PACAP抗体を用いて、耳下腺、顎下腺、舌下腺におけるPACAP陽性神経線維の観察を行う。(5)若齢、高齢マウスともに、PACAPレセプター抗体(PACiR)を用いて、耳下腺、顎下腺、舌下腺における発現部位、細胞の同定を行う。[研究成果]耳下腺において、PACAPは介在部導管の細胞に免疫反応が認められた。PACIRは、線条部導管に免疫反応が認められた。顎下腺では、PACAPは腺房と顆粒性導管の周囲の神経線維に陽性反応が認められ、PACIRは顆粒性導管内にある細胞(pillarcell)に強い免疫反応が認められた。舌下腺では、PACAPは線房周囲の神経線維に免疫反応が認められ、腺房内には点状の免疫反応も認められた。PACIRの免疫反応は線条部導管に認められた。また、舌下腺線条部導管には、8か月齢において顆粒を有する細胞の出現が認められた。8週と8か月齢の三大唾液腺で比較した結果、PACAPとPACIRの免疫局在には加齢に伴う明確な違いは見られなかった。以上の結果から、PACAPとPACIRのそれぞれの唾液腺における局在は異なり、三大唾液腺でPACAPの異なった作用があると示唆される。また顎下腺におけるリンパ球浸潤は、唾液腺疾患の病態解明の一助となると考える。
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Research Products
(6 results)