2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592149
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
織田 光夫 Showa University, 歯学部, 兼任講師 (30359492)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 生体機能利用 / 発生・分化 / 歯学 |
Research Abstract |
【目的】骨形成タンパク質NELL1はBMPに匹敵する骨誘導能を有するタンパク質であり、高効率の骨修復を極微量の添加で実現できる可能性を見いだす。 【方法】実験1:Wistarラット頭蓋骨に直系10mmの骨欠損を作成し、骨欠損にNELL1 5-50ugをコラーゲンスポンジに含浸させて挿入した。術後4週に周囲組織とともに摘出し、MicroCT並びに組織学的に解析した。 実験2:ラット大腿骨を5mmの範囲で区域切除後、チタンプレート固定した。骨欠損部にNELL1 2ugをコラーゲンスポンジに含浸させて挿入した。経時的に組織を摘出しCT並びに組織学的に解析した。 【結果】実験1:術後4週のCT解析により、濃度依存的に骨新生量が増加する可能性が示唆された。実験2:術後4週から欠損部、及びその周囲に旺盛な骨新生を認めた。 【考察】実験1)NELL1と来BMP作用機序の違いが動物実験にて表現された。実験2)これまでにない斬新な術式により、海綿骨修復像は骨端板様の軟骨を介し、胎児発生にみられる骨形成過程を再現した。この実験モデルは従来骨修復機に対する機序・基点の考えかたを一変させる可能性がある。しかし、本実験モデル(実験2)が特異であるのか、もしくはNELL1の働きによるものかは、依然明らかではなく今後検討が必要である。 【結論】NELL1はこれまでの骨誘導タンパクと異なる機序で骨形成を行うことが示唆された。 【発表・知財申請等】平成20年度昭和大学共同研究発表会:馬谷原光織,織田光夫,剣持幸代,中村雅典,[新規骨形成タンパクNELL1による骨欠損修復](1)規骨誘導および軟骨誘導タンパク質を含有する医薬品および医療機器,2007年出願,2008年,PCT/JP2008/069980(2)NELL1による組織・臓器再生制御技術2008年出願(特願2008-201346).
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