2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性バイオフィルム形成因子の分子生物学的解析と機能性タンパク質による抑制
Project/Area Number |
20592150
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
加藤 哲男 Tokyo Dental College, 歯学部, 准教授 (00159253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君塚 隆太 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90287178)
岡田 あゆみ 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (40231667)
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Keywords | 細菌 / 歯学 / 歯周病 / バイオフィルム / 機能性タンパク質 |
Research Abstract |
歯周病は、口腔内バイオフィルムであるデンタル・プラーク中に存在する細菌が原因となる感染症である。本研究では、バイオフィルム形成に関わる因子について解析し、さらには歯周病原性因子との関わりについて解析を行っていく。本年度は、バイオフィルムモデル、培養細胞やマウスを用いて、機能性タンパク質のバイオフィルム形成抑制作用や抗菌性および宿主免疫応答における役割を検討した。 日本産ウナギ上皮から精製したガレクチンを用いて、歯周病原細菌バイオフィルム形成および内毒素活性に対する阻害効果を検討した,Aggregatibacter actinomycetemcomitans全供試菌株において、ウナギガレクチンAJL-1は、濃度依存的に有意にバイオフィノレム形成を抑制した(ρ<0.05)。しかし、その他の供試菌に対しては有意な抑制はみられなかった。バイオフィルム形成抑制効果のみられたA.actinomycetmcomitansのLPSに対する阻害効果を調べた結果、AJL-1はLPS刺激によるヒト正常臍帯静脈血管内皮細胞からのIL-6(ρ<0.01)およびIL-8(ρ<0.05)産生誘導を有意に抑制することがわかった。 ガレクチンがA.actinomycetemcomitans LPSの炎症性サイトカイン誘導活性を阻害するか否かマウス脾細胞およびヒト培養細胞を用いて検討した.ガレクチン-3は、1ヶ月齢のマウス脾細胞では、LPSのサイトカイン誘導活性を抑制したが、7ヶ月齢マウスの場合は、抑制効果がみられず、加齢に伴いその応答が変化した。またヒト正常臍帯静脈血管内皮細胞を用いた実験から、ガレクチン-3はA.actinomycetemcomitans LPSのサイトカイン誘導活性を抑制するが、ガレクチン-4は、その誘導活性を助長し、炎症の増悪因子となることが示唆された。
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