2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯根の形態形成、特に多根化を発現する因子の分子形態学的解析
Project/Area Number |
20592153
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 仁 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (80265165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 ルミ (横田 ルミ) 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (30312044)
鈴木 久仁博 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30256903)
小澤 幸重 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80014132)
新美 寿英 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (70508754)
村松 敬 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00276982)
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Keywords | 歯根 / 多根 / 象牙質根間突起 / 上皮性根間突起 / 髄下葉 / Hertwig上皮鞘 / マウス / ラット |
Research Abstract |
本研究の実験動物として用いるマウス(ICR)の、生後5日から15日の下顎第一臼歯歯胚を次亜塩素酸処理し、whole mountでヘマトキシリン染色を施し、象牙質根間突起形成過程を実体顕微鏡で観察した。その結果、象牙質根間突起は生後7日目から歯胚頬舌側のほぼ中央部から歯胚中央に向かって形成され始め、以後象牙質根間突起は根尖側への歯根の形成と共に頬舌側から伸長した。生後10日には頬舌側からの突起は癒合し、2根が形成された。象牙質根間突起の先端は鋭角的ではなく幅をもっており、癒合時の象牙質根間突起は歯胚の近遠心経のほぼ2/7程度であった。また根間突起癒合時点で根の長さは歯根完成時の1/3〜1/4だった。次に上皮性根間突起の細胞増殖について抗p75抗体によるwhole mount免疫組織化学染色を行い、細胞分裂の状況について観察したところ、根尖を取り巻くHertwig上皮鞘全体に抗p75抗体陽性反応が観察され、上皮性根間突起とそれ以外の部位で染色の強さに違いは観察されなかった。一般的な多根化の発現機構を観察する上でマウスは適切な実験動物であるが、ヒトの多根化の際には髄下棄が出現することから、髄下葉の形成と癒合のメカニズムの観察には髄下葉の形成をみずに多根化するマウスは適切な実験動物といえない。そこで今後はマウスのみならず、髄下葉の形成と癒合の研究のために髄下葉の形成を伴って多根化するラット(Wistar)の歯根形成についても観察を行う必要が考えられたので次年度以降の課題にしたい。
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Research Products
(16 results)