2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯根の形態形成、特に多根化を発現する因子の分子形態学的解析
Project/Area Number |
20592153
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 仁 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (80265165)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 ルミ (横田 ルミ) 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (30312044)
鈴木 久仁博 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30256903)
小澤 幸重 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80014132)
新美 寿英 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (70508754)
村松 敬 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00276982)
|
Keywords | 歯 / 歯根 / 多根化 / 形態形成 / 上皮-間葉相互作用 / 発生 |
Research Abstract |
【マウスを用いた実験】上皮性根間突起形成のメカニズムを明らかにする為に、生後3日から8日のマウス下顎第一臼歯を用いて、細胞分裂(抗Ki67抗体による免疫組織化学)および歯冠の形態形成に関わっているshhやFgf10の発現(in situ hybridization)をwhole-mountで検索した。検索に当たって、歯胚を上皮性根間突起形成領域(bifurcation resion : BR)と近心根形成領域(Mesial root formation resion : MRR)に分けた。生後3日から8日にかけて抗Ki67陽性細胞数はBR、MRRとも減少した。しかし個別に見ると生後3日ではMRRはBRよりも抗Ki67陽性細胞が多く観察されたが、生後5日でBRにおける抗Ki67陽性細胞数がMRRよりも多くなるものの、生後8日で再び抗Ki67陽性細胞はMRRで増加した。ShhはMRRの上皮に強く発現するが、BRの上皮では発現は観察されなかった。一方Fgf10はMRRの間葉組織で強く発現するのに対し、BRの間葉組織ではあまり発現していなかった。 【ラットを用いた実験】ヒトの多根化の際に出現する髄下葉の形成について生後10日から20日のラット下顎第一臼歯のパラフィン切片を作成し、抗Hsp25抗体による免疫組織化学を行った。その結果髄下葉形成領域では髄下葉形成領域以外の部分と比較して歯乳頭細胞が早期に象牙芽細胞に分化することが確認された。しかし髄下葉形成領域とそれ以外の領域に観察されるHertwig上皮鞘を形成する内エナメル上皮に明らかな形態学的な相違は観察されなかった。歯乳頭の細胞は内エナメル上皮との上皮-間葉相互作用により象牙芽細胞に分化するので、両部位の内エナメル上皮が発現する因子の相違について来年度以降検索する予定である。
|