2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯根の形態形成、特に多根化を発現する因子の分子形態学的解析
Project/Area Number |
20592153
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 仁 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80265165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 ルミ (横田 ルミ) 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (30312044)
鈴木 久仁博 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (30256903)
小澤 幸重 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80014132)
村松 敬 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00276982)
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Keywords | 歯 / 歯根 / 多根化 / 形態形成 / 上皮-間葉相互作用 / 発生 |
Research Abstract |
【マウスを用いた実験】歯頚部の上皮が、髄下葉の形成に関わる上皮性根間突起を形成する現象と、それに続く根端側への成長という現象は3次元的に行なわれており、通常の切片による観察では十分に理解することができない。そこで生後3日から8日のマウスの下顎第一臼歯歯胚を通常の切片で3次元構築を行い、さらに抗cytokeratin抗体を用いたwhole-mount染色を施し、立体的に観察した。その結果、上皮性根間突起形成時には根端側への上皮の成長はあまり観察されず、上皮性根間突起の伸長が主に観察された。その後上皮性根間突起の形成が終了すると、上皮性根間突起部とそれ以外の上皮が根端側に向かってほぼ同時に成長していくのが観察された。このような上皮の時間的・空間的成長がいかなる機構により調節されているのかは不明であり、今後の研究課題となった。 【ラットを用いた実験】髄下葉を形成する象牙芽細胞の分化は上皮性根間突起を形成する上皮との上皮一間葉相互作用により行なわれていると考えられる。そこで歯冠での象牙芽細胞の分化に関わるamelogeninの抗体を用いて上皮性根間突起を染色したところ、上皮性根間突起を形成する内エナメル上皮は抗amelogenin抗体に陽性を示し、この髄下葉の象牙質の形成には歯冠部の象牙質形成と同様の現象が起こっていることが示唆された。髄下葉の形成は島嶼状に形成された象牙質が癒合してできるのであり、一塊に形成されるのではない。一昨年、昨年と観察したラット下顎第一臼歯の髄下葉の形成過程はほぼ同様であったことから、島嶼状に象牙質が形成される機序についは不明であり、今後の研究が待たれる。
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