2011 Fiscal Year Annual Research Report
現生と化石哺乳類をつなぐ,エナメル質組織発生における比較解剖学的研究
Project/Area Number |
20592154
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 久仁博 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (30256903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 仁 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80265165)
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Keywords | 有袋類 / 長鼻類 / 束柱類 / サイ類 / エナメル質 / エナメルバンド / エナメル小柱 / 胚培養 |
Research Abstract |
有袋類の研究では,ハイイロジネズミオポッサムの歯および顎の発生を全身の発生過程の中で検討することを進めている。東北大学、理化学研究所との共同研究が成立し、正確な生殖過程の観察によるオポッサム胚の時間単位での採取,および全胚培養の可能性がみえはじめており、遺伝子発現を含めて詳細な発生学的な解析を検討している。これらの研究のうち神経堤細胞の動態については日本発生生物学会で発表している。 長鼻類については1978年発見の茨城県常陸大宮産のステゴロホドンゾウ切歯の記載論文を茨城県立自然博物館との共同研究として投稿している.また,微細構造の研究では当該切歯のエナメル質,いわゆる'エナメルバンド'について検索を進め,論文作成を開始している.加えて,2011年12月に常陸大宮市で左右の切歯と臼歯が保存されたほぼ完全なステゴロホドンの頭蓋化石が発見され,本学松戸歯学部でCT像の撮影,茨城県立博物館で走査電顕用のサンプル採取を行い慎重な観察と論文作成を準備している.切歯エナメル質の研究成果は日本古生物学会および地学団体研究会で発表している. 前年度に引き続き台湾国立自然科学博物館との東アジアの哺乳類に関する共同研究を進め,台湾産のサイ化石の臼歯を試料とした微細構造の観察・解析を進めており台湾側の形態観察とあわせて論文発表の準備を整えている.加えて,林原自然科学博物館との共同研究によってモンゴルのサイ化石について調査する機会を得ており,エナメル質の微細構造とサイ類に独特なエナメル質組織構造の形成過程の研究を進めている.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Three-dimensional Orientation Analysis of Human Enamel Crystallites Using X-ray Diffraction2011
Author(s)
Sakae T, Hirayama K, Yamamoto H, Suzuki K, Hayakawa Y, Takahashi Y, Kuwada T, Nakao K, Nogami K, Inagaki M, Tanaka T, Hayakawa K, Sato I, Kakei M
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Journal Title
Journal of Hard Tissure Biology
Volume: 20(1)
Pages: 7-10
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