2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌化抑制DNAワクチンの最適化を目指した抗原デリバリーシステムの基礎的研究
Project/Area Number |
20592166
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 初彦 Aichi Gakuin University, 歯学部, 教授 (30175591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 勝俊 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60329604)
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Keywords | DNA ワクチン / パピローマウイルス / ドラッグデリバリー / ハムスター / naked pDNA / 癌抑制効果 / 口腔 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルスHPVが々の前癌ならびに癌病変に検出されることか,HPV感染と発癌との関連が多くの注目を集めている.しかし,HPVには種特異性があり,Hpvは動物に感染しないことから,HPVについてのin vivoでの感染実験を用いた癌化の証明は不可能である.我々はすでに,短期間にハムスターの口腔粘膜にハムスターパピローマウイルス(HOPV)関連扁平上皮癌を誘発できる実験系を確立している.また,この病変から新しいハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の分子クローニングを行い,この発癌モデルにおけるHOPVの関与について解析した結果,癌化過程でHOPVが重要な働きをしていることが明らかになった.この結果より,DNAワクチンが癌抑制に有用であることが示唆された.現在のDNAワクチンにおける問題点は,いかにして標的細胞である抗原提示細胞にDNAワクチンを導入して,効率良く遺伝子発現を行うことができるかである.そこで,このハムスターHOPV発癌モデルを用いてハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の主要遺伝子を用いたDNAワクチンのin vivo低電圧電気穿孔法(50V,100V,150V)における最適なデリバリーシステムとしての解析を行った.この結果,in vivo低電圧電気穿孔法のいずれの電圧を使用しても,その癌制御効果が高まることが判明した.このことより,より低電圧のin vivo低電圧電気穿孔法(50V)が安全性が高く癌化抑制に良好なことが示唆され,HPV関連の口腔粘膜疾患の予防と治療における最適なデリバリーシステムとしてin vivo低電圧電気穿孔法が有用であると考えられた.
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Research Products
(1 results)