2010 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺上皮管腔形成におけるタイトジャンクション分子クローディンの役割
Project/Area Number |
20592167
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
桧枝 洋記 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (30243132)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (20228430)
川合 進二郎 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70131381)
|
Keywords | 唾液腺 / タイトジャンクション / 管腔形成 / 細胞分化 / 転写因子 / Grainyhead / Ets |
Research Abstract |
唾液腺の発生はタイトジャンクションを含めた細胞接着装置やアピカル膜・管腔の形成を伴っており、これは腺房や導管細胞への分化と連動している。その分子機構を明らかにすることは細胞・発生生物学的にも、また、外分泌腺疾病の治療法開発に向けての基礎となるなど医学的にも重要な課題である。本年度は、このような唾液腺細胞の形態形成や分化を制御している転写因子の同定を目指して研究を行った。 管腔形成前後のマウス唾液腺を用いたマイクロアレイ解析により、いくつかの転写因子の発現が管腔形成後に大きく上昇することを見いだした。これらの転写因子の中には、細胞接着装置の形成を制御していることが知られているGrainyheadファミリー因子や上皮細胞の分化を制御していることが知られているEtsファミリー因子が含まれていた。In situ hybridization解析により、Grainyhead転写因子やEts転写因子を含めた管腔形成前後で発現が大きく上昇する転写因子の多くがマウス唾液腺の形成初期から上皮組織特異的に発現していることが明らかになった。これらの転写因子は唾液腺においてタイトジャンクションを含めた細胞接着装置やアピカル膜・管腔の形成および細胞分化の制御に関わっていることが示唆される。今後、これらの転写因子の機能を解析することによって唾液腺形成の機構解明につながることが期待される。
|