2009 Fiscal Year Annual Research Report
末梢炎症時の髄膜傷害因子としてIL-1βとその産生におけるカテプシンの役割
Project/Area Number |
20592174
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武 洲 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 准教授 (10420598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 博 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (20155774)
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Keywords | IL-1β / 髄膜細胞 / アジュバント関節炎 / PGE_2 / ミクログリア / 密着結合蛋白質 / 老化 / カテプシンB |
Research Abstract |
平成20年度の研究によりカテプシンB(CB)がミクログリアにおけるIL-1βの産生・分泌に重要な役割をもつことが明らかになったため平成21年度は野生型ならびにCB欠損マウスより調整した初代培養ミクログリアを用い、IL-1βのプロセシングならびに分泌におけるCBの役割について解明を行った。ミクログリアは野生型ならびにCB欠損マウスの大脳皮質より調整した混合培養より振とう法を用いて単離を行い、細菌培養用プラスチックシャーレに播種して静置した後、非付着細胞を除去する。セルスクレーパーを用いて接着細胞をシャーレから剥離することによりミクログリを回収した。回収したミクログリアをディシュに播種し、クロモグラニンAを培養液に添加後、経時的に細胞を回収し可溶分画を調整するとともに各々の時間での培養上清も回収した。これらの可溶分画ならびに培養上清について抗IL-1β抗体、抗体カスパーゼー1抗体、あるいは抗CB抗体を用いたイムノブロット解析を行った。その結果、野生型マウスより調整したミクログリアではクロモグラニンA適用24時間後にプロ型IL-1βは細胞内でプロセシングを受けて成熟型に変換し、細胞外に分泌されことが明らかとなった。一方、CB欠損マウスより調整したミクログリアではクロモグラニンA添加によりプロ型IL-1βは増大したが、成熟型のIL-1βの形成は48時間後においてもほとんど認められなかった。また、細胞外への成熟型IL-1βの分泌も認められなかった。さらにCB阻害剤のCA074Meによりプロ型カスパーゼー1の成熟型へのプロセシングが抑制された。以上の結果より、CBはプロ型カスパーゼー1の成熟型へのプロセシングを行うことで、プロ型IL-1βの成熟型へのプロセッシングに間接的に関与することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)