2010 Fiscal Year Annual Research Report
末梢炎症時の髄膜傷害因子としてのIL-1βとその産生におけるカテプシンBの役割
Project/Area Number |
20592174
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武 洲 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (10420598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 博 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20155774)
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Keywords | IL-1β / 髄膜細胞 / アジュバント関節炎 / PGE / ミクログリア / 未着結合蛋白質 / 老化 / カテプシンB |
Research Abstract |
これまでの解析により、ミクログリアにおけるカテプシンBのアポトーシスにおける役割を解析する過程で、クロモグラニンA刺激によって誘導されるIL -1β産生分泌がカテプシンB欠損マウスから調整したミクログリアではほとんど生じないことが明らかとなった。ウエスタン解析の結果、カテプシンB欠損あるいはCAO74MeによりクロモグラニンAで誘導されるプロIL-1βの産生は影響されることなく成熟型へのプロセシングならびに細胞外への分泌が抑制されることが明らかとなった。また、細胞内局在を調べた結果、クロモグラニンAで処理したミクログリアにおいてもカテプシンBはリソソーム内局在を示唆する顆粒状の免疫反応を示していた。さらに、リソソーム指向性色素であるアクリジンオレンジならびにカテプシンB蛍光基質を用いた解析によってもカテプシンBの細胞質への漏出を示す証拠は得られなかった。通常の一次リソソームは直径1ミクロン程度であるが、カテプシンB、カスパーゼ-1ならびに成熟型IL-1βは直径4ミクロン程度に膨化したリソソーム内に共存していた。興味深いことにクロモグラニンAはAβと同様にクラスAスカベンジャー受容体を介して取り込まれることでミクログリアに作用し、リソソーム系の再編を引き起こすと考えられる。これらの結果より、クロモグラニンA刺激に伴って膨化したリソソーム内でカテプシンBによるプロカスパーゼ-1の活性化、引き続いてカスパーゼ-1によるプロIL-βの成熟型への変換が生じることが示唆される。膨化したリソソームの内容物はエクソサイトーシスにより細胞外に放出され、脳炎症反応を惹起するものと考えられる。
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Research Products
(7 results)