2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592175
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西下 一久 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20237697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30264055)
岡元 邦彰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10311846)
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10176612)
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Keywords | 破骨細胞 / プロテアーゼ / カテプシンE / カテプシンD / ノックアウト / アポトーシス |
Research Abstract |
1 RANKL刺激による破骨細胞分化、細胞融合に関与する遺伝子群発現の異常の有無 平成20年度の本研究実績で、カテプシンE欠損マウス由来骨髄細胞培養下における破骨細胞分化が低下していたことについて、詳細な観察を行った。カテプシンE欠損マウス由来骨髄細胞よりRANKLで分化させた細胞の酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性染色を行うと、破骨細胞と計数される3核以上のTRAP陽性細胞は有意に少ないが、2核以下の小型の細胞は多く存在していた。リアルタイムRT-PCR法によるTRAP遺伝子の発現を野生型マウス由来骨髄細胞と比較すると顕著な差は認められなかった。以上より破骨細胞前駆細胞同士の細胞融合が抑制されていることが示唆された。そこで、細胞融合に重要な役割を持つことが知られているDC-STAMP、OC-STAMP両遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCR法にて観察したところRANKL添加後増加するが、その増加傾向は野生型細胞と顕著な差は認められなかった。 2 アポトーシスの亢進の有無 培養下における破骨細胞分化が低下している理由のひとつに前駆細胞ならびに成熟破骨細胞のアポトーシスが亢進している可能性が考えられた。RANKLは破骨細胞への分化を促すが、無血清培養下では破骨細胞前駆細胞にアポトーシスを引き起こすことが報告されている。カテプシンE欠損マウス由来骨髄細胞では血清存在培養下においてもRANKL刺激によりカスパーゼ3の活性化亢進が観察された。破骨細胞と起源を同じくするカテプシンE欠損マクロファージでは細胞接着能の低下、インテグリン(CD18、CD29)などの発現量が低下していた。以上の結果は、カテプシンE欠損により接着にかかわる細胞表面受容体タンパク発現量の低下が生じることでアポトーシスが生じやすい細胞内環境に陥っている可能性を示唆している。
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Research Products
(10 results)