2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指した新規口腔バイオフィルム抑制薬の開発
Project/Area Number |
20592181
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
加藤 裕久 Iwate Medical University, 歯学部, 教授 (60152740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 康夫 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (10315096)
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Keywords | インドール / 歯周病細菌 / バイオフィルム |
Research Abstract |
う蝕はmutnasレンサ球菌が歯にバイオフィルムを形成し、強く付着することによって進行する。その付着は、菌体がスクロースから菌体外に形成する水溶性のα1-6グルカンと不溶性のα1-3グルカンに依存する。現在のところα1-6グルカンを分解するデキストラナーゼは商品化されているが、α1-3グルカンを分解するムタナーゼは実用化されていない。そこで、本研究では、臨床応用を鑑み食用キノコにおいてう蝕原因細菌のバイオフィルム抑制効果およびムタナーゼ活性について検討した。 まず、エリンギ、シイタケ、シメジ、エノキの抽出液のバイオフィルム形成抑制活性を検討したところ、シイタケ抽出液がStreptococcus mutansおよびStreptococcus sobrinusの両菌のバイオフィルムの形成を抑制した。共焦点レーザー顕微鏡において、シイタケ抽出液存在下では、バイオフィルムの形態が粗になり、厚みも顕著に減少した。また、シイタケ抽出液中は、S.mutansおよびS.sobrinus由来精製不溶性グルカンを分解する活性が存在することが明らかとなった。その活性は、熱処理で失活し、デキストラナーゼ存在下で顕著に強くなった。シイタケを室温で放置した後に抽出液を得た試料において、5日間放置したものから得た抽出液は、放置しなかったものや3日間放置したものから得た抽出液と比較し、顕著に強くバイオフィルム形成抑制効果が強かった。これらの結果から、食用キノコにおいて、不溶性グルカンを分解する活性が存在し、う蝕に関与するバイオフィルム形成抑制効果が認められた。
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Research Products
(4 results)