2009 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織再建への応用を目的とした新規BMP活性制御因子の同定
Project/Area Number |
20592184
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
上條 竜太郎 Showa University, 歯学部, 教授 (70233939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20295132)
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
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Keywords | BMP / 硬組織 / マイクロアレイ / 再生 |
Research Abstract |
骨欠損部の再生を目標とした骨誘導因子BMP(bone morphogenetic protein)の利用が試みられてきたが、十分な成功に至っておらず、BMP活性を調節する因子の同定およびその作用機序の解明は肝要である。 我々は、BMP-2の骨芽細胞分化促進作用を調節する遺伝子を探索するため、BMP-2による骨芽細胞分化誘導過程において発現の変化する遺伝子の網羅的解析を行った結果、Alx3 (aristaless like homeobox 3)が骨芽細胞分化に伴い発現が増加することを見出した。Alx3はホメオボックス遺伝子に属する転写因子であり、顔面頭蓋の形成に重要な遺伝子であることが知られている。本年度は、BMP-2による骨芽細胞分化誘導におけるAlx3の発現制御機構ならびにその作用機序について検討した。BMPのシグナル伝達経路の一つであるSmad経路をSmad4に対するsiRNAにより阻害したところ、Alx3の発現誘導が有意に抑制された。BMP-2による骨芽細胞分化誘導におけるAlx3の作用機序を検討するために、Alx3に対するsiRNAによりその発現を抑制したところ、骨芽細胞分化の指標とされるAlkaline phosphatase活性が有意に低下していることが認められた。また骨芽細胞分化マーカー遺伝子であるOsteocalcinや、骨芽細胞分化に重要な転写因子であるOsterixの発現もAlx3発現抑制により有意に減少した。一方、筋管細胞の分化に関連する遺伝子であるMyogeninやMyoDの発現はAlx3発現抑制により増加が認められた。以上の結果から、BMP-2によるAlx3の発現誘導はSmad経路を介して行われる。またAlx3はC2C12細胞の筋管細胞への分化に対して抑制的に、骨芽細胞への分化に対して促進的に作用する因子であることが示唆された。
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