2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性骨破壊における破骨細胞の動態-バイオイメージング手法による解析-
Project/Area Number |
20592185
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 恵子 昭和大学, 歯学部, 講師 (50119187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 庄司 昭和大学, 歯学部, 教授 (00111617)
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Keywords | 炎症性骨破壊 / インビボイメージング / 破骨細胞 / Toll-like receptor / ケモカイン / 骨粗鬆症治療薬 |
Research Abstract |
歯周病や骨髄炎などでは、細菌感染に対して本来は生体防御のために起きた炎症反応が過剰な骨組織破壊につながり、ひいては修復不可能な深刻な病態を引き起こすことになる。この反応過程にはToll-like receptor(TLR;グラム陽性菌はTLR2,グラム陰性菌はTLR4)が関与することが知られている。本研究では生きたままの病態モデル動物を使い、複数の細胞種が相互に関連する骨破壊の病態を解明し、正常な骨代謝へと復帰させる新規治療薬を開発することを目的として以下の検討を行った。【結果】(1)GFPTgラット由来の破骨前駆細胞を用いて炎症部位への細胞のリクルートをイメージングにより確認した後、採取した組織および細胞を免疫染色した結果、頭蓋骨・骨髄・脾臓にGFP陽性かつTRACP陽性の破骨細胞が存在することが確認された。またreal-time RT-PCR解析の結果炎症部位にはラット由来の破骨細胞マーカー遺伝子(TRACP, CtsK, MMP9)が発現していた。さらに骨粗鬆症治療薬(ZoledronateおよびMPMBP)を同時投与した場合にはこの反応は抑制された。(2)LPSあるいはPam3を投与したマウスの頭蓋骨についてreal-timeRT-PCR解析を行った結果、炎症性サイトカイン(TNFalpha,IL-1beta,IL-6,IFNgamma)、ケモカイン(MCP-1,MIP-1alpha)、破骨細胞の分化マーカーの発現が上昇していたが、TLR2とTLR4を介する作用の間には質的な差異は認められなかった。 【結論】炎症性骨破壊においては、循環血中に存在する破骨前駆細胞が炎症部位に移動して成熟破骨細胞となり骨吸収を起こす。また、現在開発中の骨吸収抑制作用を有する治療薬同時投与により炎症部位への破骨前駆細胞遊走が抑制されることが示された。
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